「秋の新茶」と「世界一濃い抹茶のお菓子」の方程式。
2014年10月08日 10:21
石松園の高野です。
石松園銘茶本舗の「秋のお茶まつり」がスタートして、1週間が経ちました。
日々、お客様から反応を頂き、とても嬉しく思います。
ひとつには「秋の新茶」という言葉へのお問合わせです。予想以上の質問の多さに、驚き嬉しい日々です。
前回のコラムにその「ご案内」の文章を載せましたが「お問い合わせいただける」ということは
「お読みいただけた」ということであると、とてもうれしく感じております。
こういう文面です。
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ご存知でしたか?この時期は「秋の新茶」の季節です。
あまり耳にすることのない言葉かもしれませんが、「茶」の世界では古くから伝わっています。
ひとつには「四番茶」といって、この時期今年最後の茶葉の摘採を行います。気象状況が4月と似ていることから、
この時期に作られる茶は~味の春茶、香りの秋茶~とも言われ、希少価値が在ると言われています。
またもうひとつには、春に摘んだ茶葉をこの時期にどのように仕上げるかが私の「茶師」としての大切な仕事です。
春に、遠州森町の山の茶畑から頂いてきたそれぞれの茶葉には、ひとつひとつ全てに摘んだ人の名前と摘んだ日が記載されています。
ひと夏越すと茶葉は微妙に変化してきます。
旨みが増す茶葉、香りが増す茶葉など、時間を経ることによって、よりそれぞれに個性が現れてくるのです。
その「どれ」と「どれ」を使用して「お茶」をつくるのか、ひとつひとつの味と香りを確かめながらつくっていきます。
春に出逢った印象とはまた少し変わり、少し成長した茶葉に再会するといった感じです。
そんな味わい深い「秋の新茶」を今年もお届けしたいと思います。
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もうひとつには今回初めてつくった「抹茶のマドレーヌ」への感想です。
今回は「ご試食いただき、ご意見・ご感想をお願い致します。」といった意味合いから、
お買い上げのお客様へのプレゼントとさせていただいております。
店頭のお客様には手渡しで、通信販売でご購入頂いたお客様には荷物の中に同封して発送させて頂いております。
そうしてお渡ししたお客様から「商品化を!!」という声をいただき、とても嬉しく思います。
前回のコラム「抹茶にクロレラは必要ない!」に描いたように、
本物の「抹茶」だからこそ持ちえるあまい風味を感じていただけていると実感いたしております。
そして、それをより感じて頂きたいと思い、ただいま抹茶の分量を変え、というよりも
「どこまで増やせるのか」ということを、いろいろ試作している最中です。
一般的には「抹茶を多くすると渋みや苦味が出そう」ですが、全くそうはなりません。
ここがポイントです。
「抹茶」を濃くすればするほどに、その色と風味は増すと同時に、上品で深いあまみが増すのです。
それはバターなどのあまみとは違い、「茶」特有のあまみです。
そしてそれは以前からコラムで描いている「抹茶の条件」を満たしていないと出ない「あまみ」です。
もうしばらくお待ちください。
「世界一濃い抹茶」をお菓子に使用すると、「世界一あまくて、おいしい」お菓子が出来上がるという方程式を完成させたいと思います。