お茶の基礎知識2 「お茶が出来るまで。生産〜製造〜流通。」
2013年06月13日 20:33
石松園の高野です。
今回のコラムでは「基礎知識第2弾」をお送りいたします。
「お茶はどのような経緯を経て、消費者(お客様)の手に渡るのか」ということについて描きたいと思います。
現在では様々な複雑な流通形態がありますが、まずは石松園が取っている形態を書きたいと思います。
それ以外についてはその後に記したいと思います。
■茶農家(生産家)
文字通り「茶の樹」を栽培して下さる方々です。
そして摘んだ「茶葉」を蒸して茶葉の発酵を止め、粗揉(そじゅう)→揉ねん(じゅうねん)→中揉(ちゅうじゅう)→精揉(せいじゅう)→乾燥という工程を経て「荒茶(あらちゃ)」が出来上がります。
このそれぞれの工程は生の茶葉を「揉む」という工程です。
熱風を当てながら、水分を揉み出すという作業です。現在はその工程ごとに機械が在りますが、昔は全工程「手作業」で行っていました。
それこそが「手揉み茶」です。
そしてこれらの工程を経た「荒茶」は摘採した時点で約80%あった水分が5%前後になっています。
※荒茶 乾燥工程から出た粉茶。この荒茶の粉茶が欲しいと予約して下さるファンもいらっしゃいます。
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■石松園(製茶問屋・茶商などと呼ばれる)
石松園では「茶農家」から直接「荒茶」を仕入れます。
そしてこの「荒茶」を「仕上げ製造」して店頭に並べたり、地方発送させて頂いています。
主な「工程」としては、選別→乾燥→包装です。
まず私がいつも一番にすることは仕入れた「荒茶」ひとつひとつを様々な温度の湯で飲んでみて、その「荒茶」の持つ特徴・個性(良い点・悪い点)を徹底的に理解することに始まります。
そして「どの茶葉」と「どの茶葉」で「どういう仕上げ茶をつくるのか」イメージします。
それが決まると実際の「製造」に入っていきます。
「選別」とは、まず形が大小様々で、茎や粉などいろいろな部位が混在している「荒茶」を大きさごとにふるい分けたり、切断したりして形を整えていきます。
そして「乾燥(火入れ)」工程に入っていきます。
茶をさらによく乾燥させる(ここで水分は3%前後)と同時に「その茶葉が持つ香りを最大限に引き出す」というとても重要な工程です。
ここで最終的な「出来上がり」が決まるといっても過言ではありません。
そして「包装」。ご注文頂いた単位ごとの袋や缶に詰めて「真空パック」し、「窒素を充填」して、開封した時に「フワッと最高な香り」が届くように心を込めて包装いたします。
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■お客様(消費者、茶小売店、ホテル・空港などの売店、レストランなど)
ここまでが石松園が行っている茶の「製造」と「流通」です。
上記以外の形態としては「茶農家と製茶問屋の間に 茶市場・あっせん仲買小・農協などが入り、製茶問屋がそこから荒茶を仕入れるケース」や「農協や・茶農家が小売りをするケース」が多いです。
スーパーなどは、「茶農家」「製茶問屋」「茶小売店」などから仕入れて販売することが多いです。
そしてこれ以外にも、まだまだ様々な形態があります。
これだけ複雑な流通形態が在ると「どこで購入すべきか?」という疑問も生じるかと思います。
そこには「一長一短」があります。
今回もボリュームが大きくなったので、そのことはまた後日描きたいと思います。