新茶の保存方法
2013年04月19日 13:29
石松園の高野です。
街中のお茶屋さんでは、新茶が終わりを迎えているところもあるようですが、山のお茶を扱っている石松園では、6月くらいまで新茶を楽しんでいただくことができるんです。
今年の気候の3月は暖かい日が多く、4月は寒い日が多かったことが大きく影響しています。
例年早く新茶が摘採される島田や相良・牧ノ原という場所では3月の暖かさをうけて例年にも増して早く(約1週間~10日)茶摘みが行われ、八十八夜前に摘採が終了するという地域もありました。
逆に4月は特に朝晩が冷え込んだため、石松園の茶畑のある遠州森町では一度片づけたこたつを出した家もあったそうです。
そのため茶の樹の新芽の伸びが抑えられて、逆に例年よりも1週間遅れてのスタートとなりました。
霜による被害も心配したのですが、石松園の茶畑ではこの日中と朝晩の「寒暖の差」により、例年以上に「山の香り」を持ったワイルドな新茶が出来上がりました。
またそれ以外にも「新茶のくき茶や粉茶や芽茶といった部位別のお茶」や「新茶の烏龍茶・紅茶」や「玉露」や「深蒸し玉露」や「品種茶」などオモシロい新茶が続々と出来上がります。
本日は、そんな新茶の保存方法についてお伝えしていきたいと思います。
お茶の一番の大敵は高温と湿度、そして酸化してしまうことです。
新茶特有の爽やかな香りと味わいを充分にお楽しみいただけるよう、特に保存に注意していただきたいです。
新鮮さを保つためには、開封後の新茶は必ず密閉して、風味を損なわぬよう早めに飲みきることをお薦めします。
私は「焼津グランドホテル」というホテルの朝市に参加させて頂いているのですが、たまに「私はいつも決まったお茶屋さんで新茶を一年分買うのよ。」と話されるお客様がいらっしゃいます。
これはあまりお勧めしません。基本的にはその時に飲みきれる量を購入すべきで、詰め方も1kgという詰め方ではなく100g単位で小分けにしてもらうことがポイントだと思います。
そうすることでお茶が変質することを最小限にすることが出来ると思います。
私は自分がお届けするお茶を一番いい状態で飲んで頂きたいと考えます。
また、お茶を冷蔵庫で保管される方がいらっしゃいますが、私はお薦めしません。
特に封を開けた状態で冷蔵庫に保存をすると、湿気にやられてしまったり、他の食品のニオイを吸ってしまいます。
当然、お茶特有の香りが失われ、様々なニオイが混ざり合ったニオイになってしまいます。
茶葉が持つ消臭効果が冷蔵庫の中で最大限に発揮されるというわけです。
逆に飲み忘れて古くなってしまったお茶を捨ててしまうならば、その前に消臭剤として使うこともできますが・・・。
お茶を冷蔵庫で保管される方がいらっしゃるのは、お茶屋に大型冷蔵庫があって、そこでお茶を保管しているイメージがあるからかも知れません。
ただ、お茶屋が冷蔵庫でお茶を保管しているのには理由があるのです。
お茶屋は、大型冷蔵庫ではお茶だけを保管しているので、他のニオイが混ざることはありません。
また、全てのお茶を真空パック状態にし、窒素を充填していますので、自宅で封を開けた状態で冷蔵庫で保管するのとは全く条件が全く違うのです。
お茶は「香り」こそが命だと思っております。
そして、茶は植物からつくられた乾物であるとともに生鮮食料品でもあります。
では実際に「どう保存するか?」について3点記します。
【1】その時に飲みきれる量を購入する。詰め方も1kgという詰め方ではなく100g単位で小分けにしてもらう。<変質を最小限にするため>
【2】保存はアルミの袋に入れ口をしっかり閉じ(輪ゴムなどでしっかりと閉じる)、気密性の高い容器(茶缶など)に入れて保存する。<湿気を防ぐため>
【3】容器は涼しい所(冷暗所)に置き、火や暖房設備の近くには置かない。<高温を避けるため>
特に今の時期に楽しめる新茶特有の爽やかな香りと味わいを充分に楽しんでいただくためにも、保存方法には気をつけていただきたいと思います。