お茶コラム

「お茶」を 大切に。

2015年10月16日 20:14

石松園の高野です。

前回のコラムにおいて「茶の定期便」について描かせていただきましたが、
その後、早速お問い合わせをいただくことが増え、とても嬉しく感じています。

また、先日はこのコラムを読んで下さった方から、こんなお問い合わせをいただきました。
「お葬式でお茶をもらうことが多くてどんどんたまってしまう。
中には袋に書いてある賞味期限が切れてしまったものもあり、どうしたらいいか困っている。
棄てるのは簡単だけどなんだか抵抗があるし、お茶が大好きなのでできれば飲みたい。
あなたのこのコラムを読んで、何とかしてくれるのではないかと思って電話した。」というものでした。

これまでも「古くなったお茶の再生方法」というテーマでコラムを描かせていただきました。
お客様の要望を聞いて、それに合うご提案をさせていただきたいと思いました。
これまで卸先(茶の小売店)の手助けとして、そうした加工のしごとはさせていただくことはありましたが、
個人のお客様からのご依頼は初めてです。
今後のことはわかりませんが、まずはこのコラムをきっかけに出来たご縁を大切にしたいと思いました。

そして「まずはその茶を診てみたいので送ってみてください。」と言いました。
診ることで、それぞれの茶葉をどうすべきか検討したいと思いました。
細かく言えばいろいろな方法があるのですが、大きく言えば三つです。

古くなったお茶のイチバンの問題点は、
「いい香り」が「イヤなにおい」になっていることだと思います。
ここを改善することが最大のポイントです。

■その1 香りを変える。
    「ほうじ茶」につくりかえる。

「古くなってしまった茶葉をフライパンで炒る。」
これだけでその古くなってしまった茶葉を蘇らせることが出来ます。
一番簡単な方法です。
ここで注意すべきは、「フライパンの状態」だけです。
フライパンにニオイや水分、油が付いていなければOKです。
お茶専用のフライパンをひとつご用意ください。
ほうじ茶は好みにもよりますが、炒り過ぎないのがポイントです。
目安はキツネ色。
炒りすぎたり、こがすと逆に香りにクセが出てくるのでご注意下さい。

そして、家で炒ることの大きな効果がもうひとつあります。
お茶を炒ると、そのいい香りがその部屋いっぱいに充満するのです。
それはそれはとてもいい香りです。
それは、空間の空気がまるくなるという感じです。
すごく抽象的な表現ですが、本当にまるくやわらかな空気になります。
いろいろな場面で「癒し」という言葉が使われる現在、この空気はまさに「癒し」です。
是非お試し頂きたいです。

■その2 香りを加える。
    「玄米茶」 「抹茶入り玄米茶」 「だったんそば茶」 
    「黒豆茶」 などにつくりかえる。

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これも「香り」を加えることで、よみがえらせるという方法です。
「玄米茶」は焙煎した玄米の香ばしい「香り」を楽しむことが出来るお茶です。

焙煎した「玄米」や、さらに焙煎してはざしたポップコーンのような「花」を加えることで生き返ります。
それ以外に「だったんそば」や「黒豆」「ハブ」などを加えることで、「香り」にプラスして健康面での効果も加わります。
特に新茶の「抹茶」を加えれば、風味も変わってきます。

こうした簡単な「ひと手間」で大きく変わるのです。
こうした「原料」はどこで扱っているかわからないという方は、是非石松園にお問い合わせください。
お茶以外にも、こうした原料も取り扱っております。

■その3 香りを加える。
    「フレーバーティーをつくる」

これも「香り」をかえるという手法です。
一番簡単なのは「みかん」や「ゆず」などの皮を乾燥させて茶葉に混ぜるというやり方です。

香料でつくられたフレーバーティーは、何故か人工的でやさしくない感じが在り、鼻につきます。
思い付きで身近にあるものでやってみると、とてもおいしいお茶ができるかもしれません。

ある人は乾燥させた「昆布」を混ぜました。それが本当の「昆布茶」だと。
すると、1煎目は気付かなかったのですが、2煎目から昆布の粘り気が出て来て、これで「お茶づけ」をつくると最高においしいと気付いたそうです。
やってみると、確かに美味しいです。
そして、こういった「お茶」と相性のいいものはまだまだたくさんあると思います。

現代は何でも買うことが出来る時代であると思います。
そして、棄てることはもっと簡単な時代であると思います。

この茶業界は、「お茶離れ」「需要と供給のバランス→供給過多」「茶価の低迷」などというとてもマイナスな見解がありながら、一方では「抹茶への注目」「世界的な和のブーム→国の特産品として世界市場へ」「茶の持つ素晴らしい健康効能」などというとても前向きな見解もあります。

そうしたことも踏まえて、日本の「お茶」を大切にしたいと思います。
お茶屋であるからこそ、「お茶」を大切に思い、「お茶」を大切に扱い、「お茶」を大切に伝えたいと思うのです。

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