「インフルエンザ流行警報」 と 「茶」 。
2016年02月13日 18:21
石松園の高野です。
2月12日、東京都はインフルエンザ患者が急増したことを受け、
「流行警報」を発表したということです。
そんな状況を受けて、「茶」に関わる自分なりの意見を描きたいと思います。
我が国のお茶は、今から八百年前、平安時代に最澄や空海などの僧侶が唐(中国)へ留学した際にお茶を持ち帰ったのが始まりとされています。
その後、鎌倉時代には栄西禅師(1141~1215)が「喫茶養生記」を表し、
「茶は養生の仙薬となり、延齢の妙術なり」とお茶の効能を紹介したため、お茶への関心が高まりました。
「仙薬」とは、いろいろな成分が相乗的な効果をあげる不思議な薬という意味だそうです。
「茶」はそのはじまりは「薬」としてはじまったのでした。
そして「茶」には歴史上において、様々な「疫病」に困る人達を救ってきたという言い伝えもたくさんあります。
そして現代においては、「茶」の「インフルエンザ」に対する効能はたくさん紹介されています。
さまざまな予防法の中で、「緑茶でうがい」することがインフルエンザの予防に効果的であるということはよく言われてきました。
そのことに加えて、「緑茶の飲用」に、有効性があるという発表がなされました。
ただ、お茶を飲めばいいのです。
静岡県立大学薬学部の山田浩教授は、
東京都東村山市の老人ホーム「白十字ホーム」での臨床試験で、
緑茶に含まれる「カテキン」と「テアニン」がインフルエンザの発症を抑える効果があることを突き止めたのでした。
また、アメリカの栄養学専門誌「ジャーナル・オブ・ニュートリション」で昨年10月に発表された最新の予防法という中で、
「静岡県の子供たちを対象に、緑茶を飲んだときのインフルエンザの発症率を調査したところ、
1日2杯緑茶を飲むとインフルエンザ発症率が38%減少、
1日3~5杯緑茶を飲むとインフルエンザ発症率が46%減少するという結果が出た」そうです。
また、前述した山田教授らと共同研究を行った伊藤園中央研究所(静岡県牧之原市)の提坂裕子所長は、
「インフルエンザ」だけでなく、「ノロウイルス」などにも緑茶カテキンが持つ抗ウイルス作用は有効であるとおっしゃっています。
「茶」の飲用は、ウイルス感染に対する免疫力を高め、
「茶」の持つビタミンCとともに感染にかかりにくい身体の環境を整えるのだそうです。
こうした研究結果を踏まえると、
この「ウイルス感染」が流行するこの時期は「緑茶の飲用」が大切であると思います。
大切なことは「カテキン」という成分がしっかりと含まれていることです。
また、小さいお子さん・妊婦さんやお年寄りの方でも、「番茶」を飲めば「カフェイン」への心配も要りません。
そしてこうしたことはお店の人が教えてくれますので、
お茶屋に入ったことのない人でも安心して近くのお茶屋さんを訪ねて頂きたいです。
そしてひとりでも感染者が減ってほしいと思います。
こうした研究は日々続けられており、
「茶」を扱う私たち「茶専門店」はこうした研究の成果をしっかりと発信していくべきであると私は考えています。
これだけの「歴史」と「伝統」を持つ「茶」には、様々な意味が在ります。
それをひとつひとつ正確にお伝えしていきたいという想いです。