お茶コラム

「チョコレートに最も合う飲み物は・・・緑茶です。」

2019年02月12日 20:10

石松園の高野です。

もうすぐバレンタインデーです。
最近、バレンタインと日本茶の組み合わせが面白いと声をかけていただく機会が少しずつ増えてきました。
以前に書いたコラムを読み返してみると、少し加筆して改めて発信したいなと思いましたので描いてみたいと思います。

ちょうど数年前の今頃、テレビを通して聞きました。
チョコレートに最も合う飲み物は緑茶」だそうです。

ベルギーを代表するショコラティエ 「ピエール・マルコリー二」さんがおっしゃっていました。
彼、マルコリーニ氏の最大の特徴はカカオへのこだわりだということで、
カカオ豆の農園を訪ね、自らが納得する豆を探し、ベルギーのアトリエに運んで
焙煎→選別→粉砕→調合→精錬の全てを自らで行うヨーロッパでも数少ない存在なのだそうです。

「緑茶」を扱うお茶屋として、そうしたこだわりのチョコレート職人さんからの突然のラヴレターを嬉しく感じ、
今でも印象強く残っています。
それまで私は、バレンタインというと「抹茶チョコレート」や「バレンタインパッケージ」を考えることを大切にしていました。
もちろん石松園の「抹茶チョコレート」は、抹茶とジャージーミルクという素材を吟味し、最高の職人さんにお願いしているという自負があります。
しかしマルコリー二さんの話をうかがってからはより引き付けて突っ込んでバレンタインに取り組みたいと考えています。

「チョコレート」と「緑茶」の相性を実際に試して、考察してみると、
以下3通りの愉しみ方があると感じています。

   1、「旨み」と合わせる。
   2、「渋み」と合わせる。
   3、「香り」と合わせる。

1・2については、茶が持つ特有の「滋味(じみ)」とチョコレートを合わせて愉しむというものです。
「滋味」とは、「奥深い旨み」を意味するそうですが、茶の世界では品質の審査項目のひとつである
「味」の良さのことを指してもいいます。旨みの多少、苦渋味との調和、こくの有無、後口の良否などによって判定されるものです。

先に述べた奥深い旨みという観点では、「抹茶」や「玉露」のように、
遮光栽培をして栽培した茶を挙げることができます。

ここ静岡では4月中旬から下旬頃にその年最初の新芽が出てから、
菰(こも。わらを編んで作ったゴザのようなもの。)や
寒冷紗(かんれいしゃ。黒や白の化学繊維を編んで作ったネット)で覆いをして、
日光から遮って栽培します。

 

そうすることによって、茶葉にうまみを凝縮させることができるのです。
また「かぶせ茶」と呼ばれる茶のように、かぶせる(覆いをする)ことによって、
茶葉を濃い緑色に育てるという効果もあります。

そうしたうまみの茶がある一方では、煎茶特有の「渋み」と合わせるのもおもしろいです。

よく茶は、「冷ました湯」で淹れることが正しいと言われます。
実際に私も小学校高学年の家庭科の授業に呼ばれて「お茶講座」をさせていただくことがありますが、
教科書には「『冷ました湯』で淹れます。」とあります。
時間がある授業の場合、同じ茶葉を熱湯と冷ました湯のそれぞれで淹れた茶を飲んでもらいます。
熱湯で淹れた茶はほとんどの子供が「にがい!!」と言います。が、「おいしい!!」という子供もいます。

決して正解はないというのが私の意見です。
だまされたと思って、熱湯で淹れた茶とチョコレートの組み合わせをお試しください。
「渋み」と「甘み」が溶け合います。

つまり、同じチョコレートでも、合わせるお茶の「滋味」の違いによって愉しみ方が異なると思うのです。

3については「緑茶」の持つ香りと合わせることはもちろん、
「焙じ茶」や「釜炒り茶」など「香り」に特化した茶と合わせても愉しむことができるというものです。

それぞれ違うタイプの茶と合わせることで、同じそのチョコレートの味わいの感じ方も全く異なります。
そうすることで、ひとつのチョコレートをいろいろな角度から楽しむことが出来ると思います。
一方、チョコレートにも様々な味わいがあります。スイートなものからビターなものまで様々です。

それらの掛け算でいえば、この組み合わせには無限の拡がりがあるということになります。
その中から自分が最も好きな組み合わせを見つけていただきたいと思い、また見つけるお手伝いが出来たらと思っております。

カカオ豆は、その昔「薬」として使われたそうです。
茶もそのはじまりは「薬」として伝えられています。

味わいにおいて、また身体にもやさしい、「茶」と「チョコレート」。
バレンタインを、「茶」と「チョコレート」で、愉しんでいただきたいと思います。

ネットショップ

ページトップへ

石松園銘茶本舗 静岡県焼津市栄町6-7-5 TEL:054(629)6123

お気軽にご相談ください お問い合せ

2013 (c) 石松園銘茶本舗 All Rights Reserved.