「二日酔いには、魔法の3煎を。」
2016年12月14日 09:26
石松園の高野です。
この年末年始、忘年会や新年会などお酒を飲む機会が増える方も多いかと思います。
そんな方々に是非お伝えしたいのが今回のコラムです。
前日のお酒が残っていると、
せっかくの朝を気持ち良く始めることができません。
そんなとき、是非実行していただきたいことがあります。
「魔法の3煎」と、今、名付けさせていただきました。
熱熱のお茶を「三煎」、飲んでいただきたいのです。
おいしいお茶の淹れ方においては湯冷ましをすることが
大切なポイントの一つですが、ここは「熱湯」であることが重要です。
もうひとつのポイントは「緑茶」であることです。
玄米茶や、ほうじ茶、紅茶、烏龍茶でない方がいいです。
できれば渋みの強い静岡茶で、山間地で栽培された滋味の強い茶葉がおススメです。
(1)茶葉をいつもより多めに(ひとり分5~8g、大さじ山盛り)急須に入れます。
(2)ポットから直接、熱湯を急須に注ぎます。
(3)茶葉が開いたら(40秒~1分)湯呑やマグカップに注ぎ、1煎目を飲みます。
(急須に水分を残さないように、最後の一滴までしっかりと注ぎ切ります。)
(4)すかさず、1煎目と同じやり方で、そのまま2煎目を飲みます。
(ただし、茶葉はすでに開いているため 浸出時間は10秒ほどでOKです。)
(5)さらに、これまでと同じやり方で3煎目を飲みます。
これでOKです。
口の中はさっぱりし、頭がすっきりしてきます。
そして、新しい朝にしっかりと気持ちよく向かうことができます。
元々、「茶」と「アルコール」の関係は古くから言い伝えられています。
鎌倉時代、建保2年(1214年)、将軍 源実朝が二日酔いで苦しんでいた時、
栄西が茶を献じて、実朝の二日酔いがすっかり回復したということです。
これは「吾妻鏡」という書物に記されていて、
栄西はこの時に茶の効能を書いた書物「喫茶養生記」も献上したと伝えられています。
ここには「茶は養生仙薬なり、延齢の妙術なり。」とあり、
茶の効能を紹介しお茶への関心を高めた書として現在も伝わっています。
そしてそこに記された薬用効果は、現在医学的に証明されたものも少なくありません。
では、現在どんな効果が期待されているのでしょうか。
肝臓にはアルコールを分解する働きがありますが、
お酒を飲みすぎると分解が進まなくなってしまいます。
そして有害なアセトアルデヒドを増やすこととなり、
二日酔いになってしまいます。
それに対して、血液中にブドウ糖やビタミンCが充分あれば、
アセトアルデヒドの分解能力を高めるといわれています。
「茶」に含まれているカフェインには、
血液中のブドウ糖を増やす働きがあります。
(これこそが、熱々で淹れることの裏付けの一つです。)
そして、カフェインには覚醒作用があり、
大脳皮質を酒酔い状態から醒ます効果があるといわれています。
朝起きた時に前日のお酒が残っているように感じるときは、熱いお茶を一杯飲むとすっきりとします。
お茶の淹れ方という点では、
少し冷ましたお湯で淹れる方が茶の持つテアニンという甘み成分を出すのにいいのですが、
ここは敢えて熱湯がおすすめです。
熱湯で淹れることによって、テアニン・カテキン以上にカフェインがしっかりと抽出されます。
そのお茶を飲むことで、それまでの重たい感覚をリセットすることができるかと思います。
また、「茶」は血液中にビタミンCを多く補給する働きがあります。
こうした働きがお酒の飲みすぎに対する「茶」の効果で、
有効であるといわれています。
この年末年始、自分の身体の健康状態に目を向ける時間もなく
慌ただしく過ぎていく方も多いかと思います。
そんなときだからこそ、朝一杯のお茶をおすすめ致します。
こんなことわざがあります。
「朝茶はその日の難逃れ」です。