お茶コラム

「森の改良  てもみ茶」誕生ストーリー ~石松園の静岡茶のはこうして生み出される~

2013年11月23日 13:54

石松園の高野です。

石松園の「お歳暮フェア」が本日よりスタート致しました。本日から1月10日まで、休みなしで営業させて頂きます。

昨日は、終日工場で「森の改良  てもみ茶」をつくりました。昨日つくったのは100g600円の普段飲みのお茶です。

今日はその様子をお伝えしたいと思います。

「森の改良  てもみ茶」は、「遠州森町」の奥の奥の山の山頂にある「木根」という土地にその茶園が拡がります。

(2013年11月19日コラム「世界にただ一つしかない茶とは・・・?」参照)

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この木根には現在2軒の農家の方が「茶」の栽培・生産をして下さっています。毎年5月・6月・7月に、ある程度の量がまとまると電話がかかってきます。そこへ行くと、「何月何日生産したあの茶園のあの列」といった感じで大海(だいかい。茶を運搬する大きな紙の袋。)に茶が分けられています。市場などで仕入れる場合は、大体一袋が30キロ単位でつくられているのですが、この「木根」の場合は個人個人のこだわりで袋詰めしているため、量はまちまちです。この10kgが今日の最高傑作だと思えば10kgで袋詰めされています。

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そしてそのひとつひとつを審査しながら価格を決定していきます。「茶の審査」とは、感覚による「官能審査法」と、機械器具による「科学的審査法」があります。元来、茶の品質は「味」や「香り」など人間の官能に負うところが大きいため、現在も「茶」の仕入れの現場では「官能審査法」がほとんどです。基本的には、外観審査(形状、色沢(色))と内質審査(香気(香り)、滋味(味)、水色(淹れた時の色))を行います。

そして顔を突き合わせて、お互いの意見や想いをぶつけ合いながら、価格を決めて仕入れさせて頂きます。

写真 (2)

その仕入れた「荒茶」の特徴・内容・仕入れた価格などを考えながら、どの「荒茶」とどの「荒茶」を合わせて仕上げるかを考えて決めていきます。そして仕上げていきます。仕上げ工程は、「選別」→「乾燥」がその主な工程です。

「選別」とは、まず形が大小様々で、茎や粉などいろいろな部位が混在している「荒茶」を大きさごとにふるい分けたり、切断したりして形を整えていきます。

写真 (3)

そして「乾燥(火入れ)」工程に入っていきます。

写真 (4)

茶をさらによく乾燥させる(ここで水分は3%前後)と同時に「その茶葉が持つ香りを最大限に引き出す」というとても重要な工程です。ここで最終的な「出来上がり」が決まるといっても過言ではありません。

昨日の工程はここからです。先月仕上げした茶葉を、再度確認しながら、最終形をどういうものにするか考えます。ここでも再度「内質審査」を行い、よく考えます。

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今年度、石松園における「森の改良  てもみ茶」の「荒茶」は2軒総合計で全部で57種類ありました。そしてそれらを組み合わせて仕上げた「仕上げ茶」は25種類になりました。

その25種類を、100g3000円から100g600円までの「森の改良  てもみ茶」につくりあげていきます。今回は100g600円のお茶です。

「仕上げ茶」を比較検討した結果、今回使用する「仕上げ茶」は5種類です。それぞれをどういう比率で混ぜ合わせるか何度も何度もサンプルをつくって、飲んで、つくって、飲んでと決めていきます。

以前は決めるのに1日がかりだったり、一度決めてつくっている間に「比率を間違えたかもしれない。」と悩み始め、結果全て一からつくり直すなんてことが多々ありました。

そんな経験を経て、今は少し段取り良くできるようにもなってきました。ただ、まだまだ油断は禁物で、この決めるという時間は全神経を集中させて行っています。

写真 (5)

朝から始めて夕方には出来上がりました。できた「茶」を、店に運び、注文に応じて袋詰めして、発送していきます。

これら一連のしごとは、ひとつひとつ全てが「お客様の喜ぶ笑顔」を想いながら行っているしごとです。ひとくち口に含んだ後に、自然と「ほっ」としていただけることが最大の喜びです。

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