「甘茶(あまちゃ)」とは?????
2018年04月13日 21:27
石松園の高野です。
先日、いつもお世話になっている幼稚園の園長先生から、
「甘茶(あまちゃ)は扱っていますか?」
とのお問い合わせをいただきました。
本当のことを言えば、扱ったことはなかったのですが、
「茶」を扱わせていただいている以上、
知りたいという気持ちが先行してしまい、
「はい。大丈夫です。」とお答えし、
電話を切った直後から、徹底的に
調査に乗り出しました。
(1)「甘茶」とは、お釈迦様の誕生日を祝い、子供の健やかな成長を祈る
4月の仏教行事「花祭り」でおなじみの茶であるそうです。
誕生したお釈迦様は、
七歩歩き、右手は天を、左手は地を指して、
「天上天下唯我独尊」
(この宇宙に自分-人それぞれ個人の自分-より尊いものはない)と言い、
そのとき甘露の雨が降り注ぎ、
花が咲き乱れて誕生を祝ったと伝えられています。
そうした伝説により、現在 なお こうした行事が伝えられているのです。
(2)「茶」としては、ユキノシタ科の落葉低木落葉性の低木アジサイの変種であり、
学名:Hydrangea macrophylla var. thunbergiiと呼ぶそうです。
その若い葉を蒸して揉み、乾燥させたもの、およびそれを煎じて作った飲料のことを指し、
ウリ科のつる性多年草であるアマチャヅルの葉または全草を使った茶も甘茶ということもあるそうですが、
前者を使ったものが本来の甘茶であるということです。
飲料としての「甘茶」は、黄褐色で甘みがあり、
砂糖の千倍近い甘みがあり、無糖、ノンカロリーで
糖分を取れない方も使われる事が多いようです。
甘茶は甘味成分としてフィロズルチンとイソフィロズルチンを含み、
その甘さはショ糖の400あるいは600 – 800倍であり、
サッカリンの約2倍であるということです。
葉を乾燥させることにより甘味が出るそうで、
苦味成分としてタンニンを含むものの、
カフェインは含まないそうです。
生薬としては、抗アレルギー作用・歯周病に効果があるといわれており、
茶・麦茶などに砂糖を入れたものは本来の意味での甘茶ではないそうです。
(3)つかう場所。
使われ方としての甘茶は、灌仏会(かんぶつえ。花祭り。)の際に、
仏像に注ぎかけるものとして、古くから用いられているそうです。
これは、釈迦の生誕時に八大竜王がこれを祝って産湯に甘露を注いだという故事によるものです。
また、潅仏会の甘茶には虫除けの効能もあるとされ、甘茶を墨に混ぜてすり、
四角の白紙に「千早振る卯月八日は吉日よ 神下げ虫を成敗ぞする」と書いて、
室内の柱にさかさまに貼ると虫除けになるという風習がかつて全国的に行われていたとのことです。
前述した灌仏会(かんぶつえ)とは、釈迦の誕生を祝う仏教行事であり、
日本では原則として毎年4月8日に行われるそうです。
まるで冗談のようですが、
間違えてダメにしてしまった状況を「オシャカ」というのは、
炙り過ぎで鈍った金物を「火が強かった=しがつよかった」
➡「四月八日だ=しがつようかだ」
➡「釈迦の誕生日」➡「お釈迦」
と江戸言葉で訛らせた江戸鍛冶職人の隠語とも言われているそうです。
つい脱線してしまいましたが、
こうして調べていけば調べていくほどに、
モノにはたくさんの物語が在ります。
そしてそれは、「茶」以外のすべてのものにも在ります。
今回も、知らないものを知ろうとすることで
これまで知らなかった「茶」をつくる方に出逢い、
たくさん教えていただくことができました。
なかなか生産のない「甘茶」の製造に取り組む、
私と角度の違う茶師と出会うことができました。
これからも自分なりに世界を拡げていきたいと思います。
本当にありがとうございます。
勉強させていただきました!!