お茶コラム

「茶の花」に驚きの成分が!? 可愛いだけじゃない「茶の花」の秘密

2013年11月05日 10:32

石松園の高野です。

みなさんは「茶の花」をご存知でしょうか?
この時期茶園に行ってみると、ポツリポツリと茶の樹に真っ白な花びらと黄色いオシベを持つ可憐な花を見ることが出来ます。
これが「茶の花」です。

写真1

時期としては10月から11月に咲きます
直径3cmから5cmの大きさで、ちょっと下向きに咲く花です。そしてその横には「茶の実」をつけています。
よく「椿」や「サザンカ」の花と似ているとおっしゃる方が多いのですが、それはこの「茶の樹」も同じ種類に属しているからです。「茶の樹」は学名「カメリア シネンシス」といい、ツバキ科ツバキ属の常緑樹です。常緑樹とは一年中葉をつけている植物のことを言います。
だから似ているのです。

写真2

この「茶の花」はとてもかわいらしいのですが、茶園を管理する生産家にとっては必ずしもいい存在ではありません。
茶の花が咲き、茶の実がつくということは、茶畑の養分がその花や実も消費することとなり、しっかりと養分をあげたい葉にしっかり届かないこととなるため、とってしまうことが多いです。また、茶の花がたくさん咲くということは、茶の樹にとっての気候状況がおかしかったり、茶の樹が弱っていることの現れだとも言われています。

ただそうした「茶の花」が実は驚きの成分を持っているということも最近研究がおこなわれています。
古くから中国ではこの花を食べたり、飲んだりするという習慣が在るそうです。
そんな中、現在注目されているのは「フローラテアサポニン」という成分です。この成分には、糖や脂肪の吸収を抑制する働きや、脂肪の形成や蓄積を抑制する働きがあるため、糖尿病や肥満予防に効果的だそうです。その結果、現在生活習慣病と並んで深刻化しているメタボリックシンドロームの予防にも効果的であるとして研究がすすめられているそうです。

また中国ではこの「茶の実」を絞って、そこから採れる油を「ツバキ油」のように食油や化粧品として使用することもあるそうです。日本でも昔は、そうした使われ方もしたそうです。

写真3

そしておもしろいことには、地図記号の「茶畑」の表示はこの「茶の実」で表わされています。
また「茶の花」は俳句の季語として使われることも多く、調べてみるとたくさんの俳句に出逢うことが出来ます。
この時期の茶園には、春の「新茶」の頃とはまた違った趣の在る姿が在ります。
そんな可憐でかわいらしい「茶の花」と「茶の実」も愉しんで頂きたいと思います。

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