お茶コラム

「2020年 本日 八十八夜、感じていること。」

2020年05月01日 16:28

石松園の高野です。

今日は八十八夜です。
今回は 今 私から見える茶業界の現状を描きたいと思います。
これは必ずしも茶業界みなさんに当てはまるものではありません。
あくまで私の周囲の現状です。

お茶屋として私が体感した業界弱体化の最初で最大の出来事は「東日本大震災」です。
そして今回の「新型コロナウイルス」の影響も大きなものであると感じています。

販売先であるお茶の小売店様からは、例年と違い「街全体に人がいない」、そして「お客様のご来店がない」という声が多いです。
また、百貨店様からは「営業の規模や時間の縮少、来店を促す行動の自粛などから、来店客数の著しい減少、そして売り上げの減少」という声が聞こえます。
また、これまでこの時期にぎわっていたホテル・空港・飲食店様などの営業自粛により、納品できない状況が続いています。
そんな中、一所懸命に茶を育ててくださる生産家のみなさんと協力しながら、何とかして現状を打破したいと思って日々に向かっています。

これまでは、ゴールデンウィークが新茶販売のピークとして盛り上がって来ました。
しかし今年については短期決戦ではなく、じっくりと本当に美味しい新茶を、手をしっかりとかけて、時間を充分にかけて、つくり販売していくことが大切であると感じています。

そしてそれは私自身ずっと疑問を感じていたことへの解答でもあります。
もちろん特にこの時期の新茶は「生鮮食料品」と言うべきものであり、時間との勝負という現実は理解しています。

しかし、以前から「これは今年最高の新茶が出来た」と思って届けると、「美味しいし、モノがいいのはわかるけど、この時期でこの価格の新茶は必要ないよ。他はもっと安いよ。」という経験を何度もしてくる中で、販売計画などあるということはわかった上で、いいものはいいという観点も大切であると悔しく感じてきたことがありました。

「茶」という植物と対峙している以上、人間が売りたいという気持ちとは必ずしも合致しないのに、時期や相場といった人間の都合に合わせようとする行動に対しては疑問を感じてきました。

今年は例年以上にしっかりと「新茶」を見つめていきたいと思います。
周囲の状況に流されることなく、信じるものをカタチにしていきたいと思います。そしてその気持ちをお客様にきちんと伝えていきたいと思います。

一日も早く現状が収束して、そして「新茶」が世界中を笑顔にすることを夢みて行動したいと思います。
引き続き、そんなおもしろい新茶の世界を、この新茶期という流れの真っただ中にいるからこそ!!という熱をもって、お伝えしたいと思います。

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