お茶コラム

あの日から3年。石松園のできること

2014年03月12日 13:21

石松園の高野です。

「東日本大震災」から3年が経過致しました。
あの日、震災で被害にあわれた皆様には、心からお詫び申し上げます。

石松園は創業より「遠州森町」の茶葉を製造・販売させて頂いておりますが、店は「焼津」という港町に位置しております。
この焼津という街は、静岡県中部に位置し、漁港を中心に遠洋漁業・水産加工業の基地として発展してきました。そうした立地条件から、石松園には、「東北地方」、特に宮城県や岩手県に通信販売でお茶をご注文して下さるお客様が多いです。

昭和の時代、東北地方からマグロやカツオを焼津港に水揚げした漁師さん達がお土産に「茶」を持ち帰って下さり、近所の人や親戚に配ったのでした。そして気に行って下さった方が、後に電話注文して下さり運送便で発送するという「通信販売」という形式になったのでした。

運送便が現在のようになかった当時の様子を母から聞いて驚きました。
船が港へ入るとみな焼津の街に繰り出し「どんちゃん騒ぎ」をしたそうです。そして自分達が獲ったマグロやカツオを持って、石松園を訪れたそうです。店の脇の通路には漁師さん達が持ってきてくれたマグロやカツオが所狭しと並び、お土産として持ち帰る「茶」を頼み、みな店の二階に上がり、そこで初代の濱吉じいさんと食事をしながら酒を飲み、いろいろな話に花を咲かせて「茶」が詰め終わるのを待ったそうです。店では、祖母と父と母が大忙しで「茶」を詰めて、包装したそうです。

そうした先代からのお付き合いのもとに、今なおお付き合いをさせて頂いております。
そんな中、あの日がやってきました。
発生直後は何をどうしていいかもわからず呆然とする日々でしたが、少しずつ何かできることはないかと行動し始めていきました。
今でもはっきりと覚えているのは、あの4日後に岩手県宮古市から来た宮古水産高校の実習船「りあす丸」の先生と生徒さん達が帰る港がないから帰ることが出来ないと店に来て下さったことです。

また、大きな地図にお客様全ての住所と電話番号を記入して1件1件電話をして出来ることを聞いたりしました。そんな日々を経て、3年目のその日を迎えました。あの日、七ヶ浜町で被害に遭われたお客様から今日電話を頂きました。

「現在みな仮設住宅に散らばっており、まだまだ不安でこの先どうなるかもわからないけど、お茶を販売するなど何かしたいと思うのでその時は力を貸して欲しい」とのことでした。

私は喜んで自分にできることを精一杯したいと思いました。
この震災を忘れないことと今の生活に感謝することが大切であると改めて感じました。

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