うちのはありきたりの大福茶ではありません!
2013年12月06日 14:26
石松園の高野です。
「お歳暮フェア」もスタートして2週間経ちました。フェア前に準備しておいた「茶」も茶種によっては不足するものも出て来て、ここ数日は午前中は工場で「茶」をつくり、午後は店で接客及び出荷という日々です。ある程度量を見越して製造してあるのですが、やはり「茶は飲む野菜である」というくらい「鮮度」がとても大切だと考え、その都度最高の状態で真空パックできるように製造することを心掛けています。
先週土曜日に「大福茶(おおぶくちゃ)」を製造いたしました。今回はその模様をお伝えしながらこの「大福茶」の魅力に迫りたいと思います。(大福茶の由来や内容については2013年11月6日コラム「石松園がおススメするお歳暮で喜ばれるお茶」をご参照下さい。)
1.「原材料」を準備する。
まずは使用する「原材料」を準備します。この「大福茶」に使用する原材料は、「茶」「抹茶」「黒豆」「玄米」「花(玄米をポップコーンのようにはざしたもの)」「昆布」「箔砂(金粉)」の7種類です。これらを秘伝の割合で混ぜ合わせるのですが、事前に製造量に合わせてそれぞれの原材料を用意します。
今回選んだ「茶葉」は「森の改良手もみ茶」の仕上げ茶№20です。この「茶葉」は先月中頃に仕上げた茶葉です。
形が大小様々で、茎や粉などいろいろな部位が混在している「荒茶」を大きさごとにふるい分けたり、切断して形を整えたりする「選別工程」を経て、「乾燥(火入れ)工程」を経た茶葉です。「荒茶」は毎年5月に仕入れるのですが、その状態とひと夏を越した今の状態で、その茶葉の印象が変わるということが在ります。この今回仕上げた№20は、いい意味で印象が変化した茶葉でした。茶葉は青々としており、火入れ乾燥工程を経た結果「山の香り」がはっきりと現れました。
よって今年の「大福茶」の主役の座を勝ち取ったのでした。
「抹茶」は今年初摘みの「一番茶」の抹茶を使用致しました。「甘み」と「旨み」と「風味」が抜群です。
これをふんだんに使用致しました。私の考えるこの「大福茶」の魅力のひとつに「グリーンとゴールドのコントラスト」があります。「抹茶」の綺麗なグリーンという色と「箔砂(金粉)」のゴールドという色を、はっきりと「茶椀(湯のみ)」の表面に描きたいのです。まるで絵具で描くように。
「黒豆」。北海道産の黒豆をじっくりと焙煎した黒豆です。
ノンカフェインで身体に有効といわれる「アントシアニン(血液サラサラや高血圧・ガン予防・ダイエット効果など)」や「大豆サポニン(身体の老化防止)」、「大豆イソフラボン(更年期障害の緩和・骨粗しょう症予防)」、「大豆ペプチド(体脂肪の燃焼の促進や脳機能の向上やリラクゼーション効果)」などを含有しているといわれ、期待されています。
「玄米」「花(玄米をポップコーンのようにはざしたもの)」
石松園では「玄米茶」「抹茶入り玄米茶」で使用しているおなじみの原材料です。ともに国産玄米を使用しています。
ヒヨクもち米を使用した最高品質な玄米と国内産玄米をはざした、これも最高品質な「花」を玄米屋さんに相談しながら決めています。
「昆布」。これも北海道産の昆布を使用しております。以前は大きな昆布を仕入れて、ハサミで細かく切断していたのですが、あまりにも時間がかかったことと大きさが一定にならないという点から、現在は細切りされた昆布をさらに切断して使用しています。そのことで大きさも一定し、見た目もよくなり、また茶葉にしっかりと馴染むようになりました。以前は昆布を職人の方が切って、湯に浸すと「寿」という文字が現れる昆布の使用を考えたこともあったのですが、あまりに高価になってしまうという理由から使用をやめました。もし、それでも欲しいという方がいらっしゃれば特別におつくりすることも可能です。
「箔砂(金粉)」
この原材料は石川県の金沢から仕入れております。毎回しっかりとした製品データを添付して下さるため、とても安心して仕入れさせて頂いております。
2.それぞれの「原材料」をしっかりと丁寧に混ぜ合わせる。
この「大福茶」を製造する上で、一番難しいのがこの「箔砂(金粉)」を混ぜ合わせる工程です。一袋に1gの「箔砂(金粉)」が入っています。そして、その袋を開けた瞬間に金粉はフワーっと空中に舞い上がるのです。慌てて静かに混ぜ合わせるのですが、この茶の製造において、毎年最も緊張する瞬間でもあります。また、毎年つくっていても実際に出来上がった「大福茶」を淹れて飲んでみるまでは、淹れた表面にどの位の「箔砂(金粉)」が浮かぶのか想像がつきません。しっかりと混ぜ合わせているのですが、先ほど述べたようにフワーっと舞い上がるのが怖くてということもあります。しかし、「金粉が入っているという「茶」を購入したのに少ないね。」という感想が最も残念であろうと考え、しっかりチェックしながら製造いたしております。
出来上がった「大福茶」を淹れて、飲んでみました。「箔砂(金粉)」もしっかりと浮いています。
美味しく飲むことが出来ました。
この「茶」を飲んで下さったみなさま全ての新しい年が、いい日が一日でも多くあるように願いながら、この「大福茶」を心を込めて袋に詰めていきたいと思います。