お茶コラム

お彼岸におもうこと。

2015年09月24日 21:45

 石松園の高野です。
今日はお彼岸の中日です。(昨日描きました)

「お彼岸」とは、春分の日・秋分の日を中心として、その前後三日の計七日間をさします。
この期間、お寺では法要が行われ、家庭ではお墓参りなどをします。
これは太陽が真東から上がって真西に沈むことから、西方極楽浄土の信仰と結びついた日本独自の仏教行事であるそうです。

 彼岸という言葉は、サンスクリット語の「パーラミター」の漢訳「到彼岸」の略で、元々仏教の用語で「煩悩に満ちた現世である此岸(しがん)を離れて修業を積むことで、煩悩を脱して、悟りの境地に達した世界(彼の岸)に到達する」という意味を持つそうです。

よって、「お盆」とは 先祖を此岸に迎えて、先祖供養が主なのに対し、
「お彼岸」は こちらから彼岸に近づき、仏の教えで身を極め彼岸に近づく儀式で、修業が主なのだそうです。

そうしたことは今調べて知ったことなのですが、今年のお彼岸は先日20日に、何となくそんなことを感じて、お墓にお参りに行ったのでした。

この石松園というお茶屋は、私で三代目となります。
初代の濱吉おじいさん、二代目の孝お父さん、そして私、三代目の一夫です。
私は元々この地に縁もゆかりもなく、「茶」の世界に関わることなく過ごしてきました。そんな私が義父の急死により、10年程前この店に立つこととなりました。この10年はあっという間であり、そしてお茶屋としての私はまだまだ修業の身です。

初代の濱吉さんは、元々は保険屋だったのだそうですが、茶が大好きで大好きで寝ても覚めても「茶」から離れられず、石松園の茶「森の改良手もみ茶」を生み出し、それを自分の一生の仕事としました。自分が求める最高の茶畑を探し歩き、見つけ出し、農家の方々にこういう茶を育てて欲しいと熱く語り続けたそうです。いつも髪をオールバックになでつけ、黒縁のメガネをかけた迫力のある人だったそうです。

二代目の孝さんは、自分の父親がつくったものを自分の道として突きつめた人で、お茶に対する嗅覚や味覚は抜群だったそうです。ただその抜群とは常に努力の上に成り立っており、茶に向かう姿勢は徹底的だったそうです。私は一度だけ、生産家の方と義父が声を出さず、2種類の茶葉をみながら目で会話をしている光景を観たことがあります。お互いに物凄い迫力と信頼感がそこには在ったことを記憶しています。

そして私の番です。
期待と不安を最大限に、進みたいと思います。
そんなことを、お彼岸に、おもいました。

milyouga

ネットショップ

ページトップへ

石松園銘茶本舗 静岡県焼津市栄町6-7-5 TEL:054(629)6123

お気軽にご相談ください お問い合せ

2013 (c) 石松園銘茶本舗 All Rights Reserved.