お茶コラム

お茶の専門家によるお茶の活用法

2013年09月10日 09:40

石松園の高野です。

今月と来月、ここ静岡県焼津市では「焼津まちなかゼミナール」という企画が行われます。

写真 まちゼミ

この企画は地元商店の商店主などが講師となり、各店の専門知識を受講者(お客様)に提供する少人数制のゼミナールです。
(現在22店舗参加)
普段の生活に役立つちょっとした豆知識を、その道のプロが教えるという企画です。
今年で3年目となるこの企画に石松園銘茶本舗も参加させて頂いております。

毎回趣向を凝らして「どんなテーマで」「どんな内容で」行うかを考えて行っていますが、本当に自分自身の勉強になり、また受講者の方々(お客様)の生きた声を聞くことが出来ることも参加させて頂く魅力のひとつです。過去には「お茶の淹れ方講座」や「オリジナルティーをつくるワークショップ」などを行いました。今回は「茶の効能」をテーマに、その中でも「美容への効果」にスポットを当てて行うことにしました。

「茶」の起源をたどると、鎌倉時代に書かれた栄西の書に「茶は養生の仙薬、延齢の妙術なり」とあります。日常的にお茶を飲むことで、「インフルエンザ予防」「がん予防」「メタボ改善」「動脈硬化の予防」「長寿」などたくさんの効能があると言われ、現在も様々な研究が行われています。
お茶には様々な成分がありますが、私がいつも講座で最初にお話しさせて頂く主な成分は以下の3つです。
そしてそれをもとに個別の効能を説明していきます。

■テアニン・・・「お茶の旨み・甘み成分」。低温で浸出する。リラックス効果があり、キレないこころをつくる。

■カテキン・・・「お茶の渋み成分」。中温で浸出する。血圧上昇抑制作用、血中コレステロール調節機能、血糖値調節作用、
        抗酸化作用、老化抑制作用、抗ガン、抗菌、抗アレルギー作用など。

■カフェイン・・「お茶の苦み成分」。高温で浸出する。覚醒作用(頭がスッキリする)。気分をさわやかにし眠気・疲労感をとる。

その他に、ビタミンC・ビタミンB2・ギャバ・フラボノイド・ミネラルなども含まれています。

【こんなにスゴイ!緑茶のパワー】
■がん予防・メタボ予防・糖尿病の予防・ウイルス感染を防ぐ(インフルエンザなど)
■花粉症などアレルギーに効果・老化予防・美容効果・放射線による害を防ぐ
■食中毒予防・虫歯予防  などなど・・・

今回は中でも「美容効果」作用にスポットを当てます。
お茶には「カテキン」「βカロチン」「ビタミンC」「ビタミンE」の4つの抗酸化パワーが協力し合って、細胞膜や遺伝子を保護し、皮膚組織のガン化や乾燥・小じわ・肌荒れ・色素沈着を防ぎ、潤いのある白い肌を保つ効果があると言われています。
「抗酸化」とは、酸化を抑制する作用のことです。生体組織における酸化とは、たんぱく室や遺伝の情報を担う
DNAの障害などが関連し、ひいては肝障害や循環器系疾患、がんなどの病、老化を誘導するものと考えられています。こうした作用を止める力を、「茶」のカテキンという成分は有しているのです。

今回は受講生の皆さんと「てづくりお茶せっけん」と「お茶のハンガリーウォーター(ハンガリアンウォーター)」をつくることにしました。こうした講座を行う時に、いつも協力してくれる永野さんと企画を練りました。彼女は「アロマ」という部門が得意で、いつも「茶」と「癒し」をテーマに講座を行う時は相談させて頂いています。

【てづくりお茶せっけん】

原料は、植物油(オリーブ油・ パーム油・ココナツ油・ひまし油)と水と苛性ソーダと茶葉です。
つくり方は大きく

(1)あらかじめオリーブ油や茶油に「茶葉」を2週間程度浸けこんで、成分をしっかり浸出させた油を用意する。
(2)水と苛性ソーダでつくった「水溶液」と「植物油」を合わせる。(攪拌(かくはん))

という流れです。
この「てづくりせっけん」には、様々な魅力が在るのですが、その一番は「自然の材料しか使用していないため、身体にもまた地球にも(排水)やさしい「せっけん」であるということです。また、よく販売されている「お茶せっけん」は緑色の泡がきれいに立っていますが、あれは自然ではありません。
純粋に「茶葉」を入れてつくるせっけんは「茶色」になります。そして今回は、今年の「新茶」のやわらかな風味を持つ牧之原産の「荒茶」をその原料に選びました。それも大きな「こだわり」です。

茶葉を浸けこむ   オイルをつくる    攪拌(かくはん)

茶葉を浸けこむ            オイルをつくる          攪拌(かくはん)

【ハンガリーウォーター(ハンガリアンウォーター)】

ハンガリーウォーター(ハンガリアンウォーター)とは、ヨーロッパで最初につくられたアルコールベースの香水・治療薬・化粧水です。

ハンガリーウォーター

ハンガリアンウォーターがハンガリー国外で最初に登場したのは1370年で、香水好きで知られる当時のフランス王シャルル5世に献上されたそうです。ハンガリアンウォーターは香水、そして治療薬としてヨーロッパ各地で愛好され、その人気は18世紀にオーデコロンが登場するまで続いたということです。中世ヨーロッパでは、他の似たようなハーブ・花を原材料とする化粧品と違い、ハンガリアンウォーターは香水だけでなく治療薬として様々な用途に使用されたそうです。その有効性は1683年、ニコラス・カルペパーの著書「ロンドン薬局方」に記載されているということです。

ここでハンガリーウォーター(ハンガリアンウォーター)にまつわるという素敵なお話を。
このお話は永野さんから教えてもらいました。

<「ハンガリーウォーター」にまつわるお話>
ハンガリーの王女エリザベードは、夫に先立たれさびしい晩年をおくっていました。ある時、老女エリザベードは、若いポーランドの王に恋をしました。エリザベードは若い頃の自分を取り戻したいと考えていたところ、偶然助けてあげた老人からお礼にと「香水」のレシピを教えてもらいました。エリザベードは喜んでそれをつくり、使ってみたところ、みるみる若返り、持病のリウマチまで完治しました。そして若返ったエリザベードは意中の王子にポロポーズされ、幸せに暮らしました。

ハンガリーウォーター(ハンガリアンウォーター)については、敢えてつくり方や材料は書きません。
受講者の皆さん(お客様)と楽しいひとときを過ごした後に、その様子も含めてまたご報告させて頂きたいと思います。

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