お茶屋のしごと。
2017年01月19日 08:43
石松園の高野です。
ここ数日寒い日が続きますが、皆様お変わりございませんか。
インフルエンザも大流行しているそうなので、
お身体ご自愛ください。
今日は嬉しい出来事がありました。
海形丸という船で水揚げに来た漁師さんが訪ねてくれたのでした。
今回で2回目のご来店となります。
「この前のお茶みんなすごい喜んだから、またつくって。」とのことでした。
とても嬉しく思いました。
こうした場面ひとつひとつこそが、私がお茶屋をやる原動力です。
我が石松園はこうした「船のお客さん」に支えられて、今があります。
ここ焼津市は、ウィキペディアによると、「静岡県中部に位置し 漁港を中心に発展し、
遠洋漁業・水産加工業が全国的に有名な街」とあります。
石松園もその流れとともに商売をしてきました。
今でも顧客様の多い住所は、宮城県石巻市や気仙沼市、岩手県宮古市といった街です。
母はいつも「船の衆は本当にいい人ばっかりだよ。」と言います。
当時、今のように「お急ぎ便」などなかった時代、
石松園の2階はちょっとした宴会場だったそうです。
この焼津港に水揚げした漁師さん達はお土産に静岡茶を持って帰るため、
大挙して店に遊びに来てくれたそうです。
そしてそれぞれが注文するとそれが出来上がるまでの間、
2階にあがり込んで一杯やりながら待ったそうです。
幸いにも石松園の初代の濱吉じいさんという人は、
酒は飲まないけれど話が大好きなおじいさんだったそうで、
毎晩毎晩盛り上がっていたそうです。
そうした中、店ではお茶を詰めて詰めての毎日だったと母は言います。
そして引退して船を下りてもなお「母さん元気か?」と皆さん電話してくださいます。
その感じは、私にはまだまだ届くことのできない深いつながりであると感じます。
そして最後に必ず母は「元気で頑張ってよ。」というのです。
私は、明日朝いちばんで用意したお茶を港で水揚げしている船に届けに行きます。
「元気で頑張ってよ。」と伝えたいと思います。