お茶コラム

「ほうじ茶の魔法」

2017年06月15日 23:39

石松園の高野です。
石松園の今年の新茶一番茶も終盤を迎えています。
例年のように、4月は静岡県内でも比較的スタートの早い産地から始まり、
山間地の茶へ向かい、その後玉露や深蒸し玉露(水出し煎茶)、
抹茶の原料の碾茶など被覆栽培の茶を経てきました。
また、それと並行してくき茶(棒茶)や粉茶、
芽茶などの茶の部位を集めてつくる新茶もつくりました。

そしてその最後が、それらを使用してさらに手を加えてつくる茶
「抹茶入り玄米茶」や「ほうじ茶」です。
今週これらを発送すると、4月から続いてきた2017年度の一番茶の終了です。
長いようで、あっという間の新茶シーズンを振り返る前に、
今日はこの「ほうじ茶」についてお届けしたいと思います。

当店では「手焼き焙じ茶」という名前で、
基本的にご注文いただいてから炒るようにしています。
その一番の理由はほうじ茶の最大の魅力である「香り」を
そのままに最高の状態で手渡したいと考えているからです。
以前は専門の加工屋さん(お茶を持っていくと熱した砂を使って炒ってくれる)に
お願いしていました。
たくさんの量を均一に焙煎できる点はとてもいい点ですが、
いくら真空保存しても、炒りたての立ち昇る香りを表現することはできないことが欠点でした。

また、ほうじ茶を好むお客様の好みも多種多様です。
このほうじ茶は、茶のどの部位を炒るかにによって、
どのくらい炒るかによって大きく変化します。
お茶の茎(くき)の部分を軽く浅炒りにすると、
淹れた茶の色も澄んだ綺麗な琥珀色で、甘みの強いやさしい茶になります。
一方、お茶の芽や粉の部分を深炒りにすると、
淹れた茶の色はコーヒーのように濃く、焙煎香の強い重みのある茶になります。
どちらもお好みによって、嗜好が分かれます。
シェフのような気持ちでおつくりしております。

また以前のコラムでも何度か触れましたが、
飲み忘れていた古くなってしまったお茶があれば、
是非フライパンで炒ってオリジナルな「ほうじ茶」を
つくってみていただきたいと思います。
これこそが古くなったお茶を生き返らせる方法でもあるのです。

そして最近ではフランスショコラ界からも、
その組み合わせが注目されている様子です。
チョコレートに最も合う飲み物は、コーヒーでも紅茶でもなく、
ほうじ茶なのだそうです。
「チョコレート × ほうじ茶」。
実際にやってみると、とても自然な組み合わせであると感じました。
特にこの新茶期の一番摘みの柔らかく青々として瑞々しい茶のくきでつくる
ほうじ茶は、チョコレートと抜群の相性であると思います。

また様々な分野での「ほうじ茶フレーバー」の提案のご依頼も
増えてきました。まだまだ具体的には書けませんが、
かなり驚きの内容がたくさんあります。

そしてこの暑い夏には「冷たいほうじ茶」はおすすめです。
赤ちゃんから、妊婦さん、お年寄りまで、
カフェインを気にせずにがぶがぶ飲んでいただきたいです。

様々な用途で、
「ほうじ茶の魔法」はまだまだ拡がりそうです。

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