お茶コラム

抹茶にクロレラは必要ない!焼き菓子徹底比較実験!!

2014年09月19日 20:01

石松園の高野です。

 

私自身、「茶」としての「静岡抹茶」には絶大なる信頼と自信を感じております。「宇治」や「西尾」といった
有名産地の抹茶と何度も比較しておりますが、「色」「風味」ともに素晴らしいと感じております。
ただひとつ、どうしても知りたいことがありました。それは「クロレラ入り抹茶」という存在です。

先日とある洋菓子屋さんのオーナー様から聞いたところ、お菓子業界ではよく使用されているということでした。

 

「クロレラ入り抹茶」とは何か?

まず、「クロレラ」とは?(ウィキペディアより)

クロレラ

クロレラは、クロレラ属の「淡水性単細胞緑藻類」の総称。直径2-10μmのほぼ球形をしており、
細胞中にクロロフィルを持つため緑色に見える。光合成能力が高く、空気中の二酸化炭素、水、太陽光と
ごく少量の無機質があれば大量に増殖する。現在では企業によって、大量培養生産もされているそうです。

そして「抹茶」とその「クロレラ」を混ぜ合わせることによって「クロレラ入り抹茶」をつくるそうです。
焼き菓子やパン生地などの「熱処理」をする食品に使用すると緑色が鮮やかに保てるためにオススメだそうです。
おそらくこの「熱処理」がポイントであるかと思います。

 

クロレラ入りと抹茶比較
「抹茶」と「クロレラ入り抹茶」

写真左が「抹茶」で、右が「クロレラ入り抹茶」です。

色について

クロレラと抹茶の比率はわかりませんが、「クロレラ入り抹茶」の方が、明らかに濃い緑色です。
通常「粉末緑茶」を使用されている方はこの「抹茶」の緑色の濃さに驚かれるのですが、
それと同じくらいの差で「クロレラ入り抹茶」の色は濃いです。

 

香りについて

「抹茶」は茶そのものの香りですが、「クロレラ入り抹茶」は茶の香り以外のにおいが混ざっており、
少し酸化したお茶の香りに似ていると感じました。

 

味について

「抹茶」は茶の味で特に甘みが強く感じられます。
それに対して「クロレラ入り抹茶」は独特の雑味というか苦みのようなものを感じました。

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次は湯で淹れた時の香りと茶筅(ちゃせん)で点てた時の味・香り・色を見てみます。

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基本的には粉の状態で比較した時と同じ感想です。
また、「クロレラ入り抹茶」は、点てた時に泡が立たないということもわかりました。
そしてこの2種類で実際に「マドレーヌ」を焼いていただきました。

石松園抹茶とクロレラ入り比較

抹茶とクロレラ入りを比較

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先程の「湯の実験」同様の結果が得られました。

色・・・・「クロレラ入り抹茶」の方が濃いです。特に焼き色が付きにくく、その分緑色がきれいに見えます。

香り・・・「抹茶」は茶の「あまい香り」がたっていますが、「クロレラ入り抹茶」はあまり香りがありません。

強いて言えば「あまくない香り」がします。(もしかしたらこれがお茶らしいと思う人がいるかもしれません。)

味・・・・「抹茶」は茶の味で特に甘みが強く感じられます。それに対して「クロレラ入り抹茶」は甘くありません。

 

独特な苦みのようなものを感じました。(もしかしたらこれがお茶らしいと思う人がいるかもしれません。)
また、食感は「抹茶」は、ふんわりしていました。「クロレラ入り抹茶」は、しっとりしていました。

以上が私の感想です。

 

実際に「マドレーヌ」を作って下さった洋菓子店のスタッフの皆さまが目隠しをして、どちらがおいしいかを
投票したところ、全員一致で「抹茶」だったそうです。そして今後使用していきたいとおっしゃって下さいまし
た。

 

また、後で聞くと、「クロレラ入り抹茶」が非常に高価なものであることもわかりました。
ただ一点、その洋菓子店様が気にされていたことは「色の定着度」でした。
「茶」は、「空気(酸化)」「温度」「湿気」で変質してしまうからです。

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製造から1週間後、乾燥剤も入れず常温で置いたものです。

 

この実験はまだまだ続きます。
お客様(消費者)は「抹茶」のお菓子に何を求めているのでしょうか。

「色」「風味」「味わい」「イメージ」・・・。
大切なものを伝えていきたいと改めて思いました。

 

 

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