お茶コラム

一年の始まりの縁起物のお茶『大福茶』発売開始いたしました。

2014年11月21日 19:15

石松園の高野です。

石松園は現在「お歳暮・お年賀フェア」を開催中です。年明け1月10日まで、休まず営業させて頂きます。

そんな中、本日、毎年恒例の「大福茶(おおぶくちゃ)」をつくりました。

大福茶

「大福茶(おおぶくちゃ)」とは?

「大福茶」とは、お正月のお祝いのお茶として、一年間の無病息災を祈り、幸せを願い、飲むお茶です。

その由来は、天暦五年(951年)村上天皇の時代にまでさかのぼります。当時、都に流行していた疫病に
苦しむ人達にお茶を振る舞い、その疫病を退散させたことから「悪疫から逃れられる縁起の良いお茶」として
言い伝えられています。大福茶には、そんな人々の健康・幸せを祈り、願う気持ちが込められているのです。

本品には、「緑茶」「金箔」「黒豆」「昆布」「玄米」「花(玄米をはざしたもの)」「抹茶」の
ひとつひとつに意味と想いが込められた7種類が配合された石松園オリジナルです。

まず、「原材料」を準備します。

この「大福茶」に使用する原材料は、「茶」「抹茶」「黒豆」「玄米」「花
(玄米をポップコーンのようにはざしたもの)」「昆布」「箔砂(金粉)」の7種類です。
これらを秘伝の割合で混ぜ合わせるのですが、事前に製造量に合わせてそれぞれの原材料を用意します。

茶葉

今回選んだ「茶葉」は「森の改良手もみ茶」の仕上げ茶№24です。この「茶葉」は先月仕上げた茶葉です。
形が大小様々で、茎や粉などいろいろな部位が混在している「荒茶」を大きさごとにふるい分けたり、
切断して形を整えたりする「選別工程」を経て、「乾燥(火入れ)工程」を経た茶葉です。茶葉は青々としており、
火入れ乾燥工程を経た結果「山の香り」がはっきりと現れました。

抹茶

「抹茶」は岡部町今年初摘みの「一番茶」の抹茶を使用致しました。「棚(たな)」と呼ばれる一級品です。
茶の樹に直接覆いをかける方法ではなく、鉄でできた「棚」に覆いをかけているため、茶の樹にストレスをかける
こともなく、「甘み」と「旨み」と「風味」が抜群です。これをふんだんに使用致しました。
私の考えるこの「大福茶」の魅力のひとつに「グリーンとゴールドのコントラスト」があります。
「抹茶」の綺麗なグリーンという色と「箔砂(金粉)」のゴールドという色を、はっきりと「茶椀(湯のみ)」
の表面に描きたいのです。まるで絵具で描くように。

黒豆

「黒豆」。北海道産の黒豆をじっくりと焙煎した黒豆です。
ノンカフェインで身体に有効といわれる「アントシアニン(血液サラサラや高血圧・ガン予防・ダイエット効果など)」や
「大豆サポニン(身体の老化防止)」、「大豆イソフラボン(更年期障害の緩和・骨粗しょう症予防)」、
「大豆ペプチド(体脂肪の燃焼の促進や脳機能の向上やリラクゼーション効果)」などを含有しているといわれ、期待されています。

花

玄米花

「玄米」「花(玄米をポップコーンのようにはざしたもの)」
石松園では「玄米茶」「抹茶入り玄米茶」で使用しているおなじみの原材料です。ともに国産玄米を使用しています。
ヒヨクもち米を使用した最高品質な玄米と国内産玄米をはざした、これも最高品質な「花」を玄米屋さんに相談しながら決めています。

昆布
「昆布」。これも北海道産の昆布を使用しております。以前は大きな昆布を仕入れて、ハサミで細かく切断していたのですが、
あまりにも時間がかかったことと大きさが一定にならないという点から、現在は細切りされた昆布をさらに切断して使用しています。
そのことで大きさも一定し、見た目もよくなり、また茶葉にしっかりと馴染むようになりました。

金拍

「箔砂(金粉)」
この原材料は石川県の金沢から仕入れております。毎回しっかりとした製品データを添付して下さるため、
とても安心して仕入れさせて頂いております。

大福茶混ぜ

そして、それぞれの「原材料」をしっかりと丁寧に混ぜ合わせます。

金伯を混ぜる

この「大福茶」を製造する上で、一番難しいのがこの「箔砂(金粉)」を混ぜ合わせる工程です。
一袋に1gの「箔砂(金粉)」が入っています。そして、その袋を開けた瞬間に金粉はフワーっと空中に舞い上がるのです。
慌てて静かに混ぜ合わせるのですが、この茶の製造において、毎年最も緊張する瞬間です。これまでは、実際に
出来上がった「大福茶」を淹れて飲んでみるまでは、淹れた表面にどの位の「箔砂(金粉)」が浮かぶのか想像が
つきませんでしたが、今年は毎年作って慣れてきたこともあり、一回でイメージ通りにつくることができました。

色鮮やかな大福茶

今年も、この「茶」を飲んで下さったみなさま全ての新しい年が、いい日が一日でも多くあるように願いながら、
この「大福茶」を心を込めて袋に詰めていきたいと思います。

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