こころと身体にやさしい、「節分のお茶」
2015年01月10日 18:14
石松園の高野です。
ここ数年、毎年この時期につくる「茶」があります。
本日その「茶」をつくり、お客様に発送いたしました。
この茶は、はじめてつくったときに「焙煎黒豆茶(ばいせんくろまめちゃ)」と名付けました。これまで自然の流れでつくっていましたが、もういちど原点に立ち返りたいと思い、そして知っていただきたいと思い、描きたいと思います。
元々は「節分」に合わせた茶をつくろうと考えたことが、そのはじまりです。ちょうどその前年の年末に石松園独自の「大福茶(おおぶくちゃ)」ができたことから、月替わりでお茶を展開してみたいと思ったのでした。日本にはその月々に古来から伝わる風習があります。いろいろと想いを巡らせた結果、お正月~節分~ひなまつり~新茶という流れをイメージしました。
そしてまず最初に「節分」について知ることからはじめました。
「節分」とは?
2月3日は「節分」の日です。「節分」とは本来「季節が移り変わるとき」の意味で、立春・立夏・立秋・立冬の前日を「節分」と呼びました。特に立春が1年の最初に来ることから、次第に「節分」といえば春の節分を指すようになりました。立春を新年と考えれば「節分」は大晦日にあたり、前年の邪気をはらうという意味を込めて墜儺(ついな)の行事が行われ、その中のひとつが「豆まき」です。追儺とは悪鬼を追い払う行事のことで、古くは中国から伝わり、現在では日本の伝統行事のひとつとなりました。また、この「節分」の翌日である立春は、新茶が最も旬を迎える「八十八夜」の第一日目です。そんなことからも「節分」の茶をつくりたいと思ったのでした。
また、お正月が過ぎたこの時期は心身ともに疲れの出始める時期でもあるかと思います。年末年始と食べ疲れ、また仕事始めの緊張感から、こころも身体もリラックスしたがっているのではないかと思いました。そんなイメージを持って、この「焙煎黒豆茶」というカタチにしていきました。
そしてこれが「焙煎黒豆茶」です。
焙煎黒豆茶とは?
石松園の「焙煎黒豆茶」の原材料は、「茶」「黒豆」「玄米」「花(玄米をはざしたもの)」の4種類です。いずれも火を入れて香ばしく仕上げてあります。
お茶は一番茶(その年最初に摘んだお茶)を、手焼き製法で、ほうじ茶にしています。機械を使用した大量生産と違い、その都度、茶葉の香り・色を見ながら焙じています。イチバン表現したいことは「あまくてやさしい香り」なので、キツネ色を目安にして、炒りすぎないよう注意しながら火を入れていきます。
炒ることでカフェインも少なく、胃にもやさしいお茶です。
そしてそこに、お茶同様に手焼きした黒豆・玄米を混ぜています。黒豆にはイソフラボンという血液をサラサラにする効果と抗酸化作用があると言われています。
こうしてできたこの茶のテーマは、「こころと身体のリフレッシュ」で、とくに「香り」に特化した「茶」です。淹れた色は、やさしく透きとおった琥珀色です。飲み口はやさしくスッと自然に入ってくる感じです。
癒しをお届けできるよう、一点一点心をこめておつくりしていきたいと思います。