お茶コラム

古くなったお茶の使い方1

2013年06月08日 01:29

石松園の高野です

「古茶」から「新茶」に切り替わるここ数日、お客様からよく「せっかくだから新茶を飲みたいのに、お葬式や何かでもらったお茶がたまっているのよね。中には結構古いのもあって、捨てるのももったいないし・・・。」というお話をお聞きします。

このテーマで調べてみると、大体「消臭剤」や「入浴剤」、「料理」という使い方を紹介することが多いようです。

ただ、お茶をつくるという仕事をしている私としては「飲んで頂きたい」と思うのです。
お茶を育てた茶農家の方々の想いも含めて。

近年はお茶を真空パックして窒素を充てんした状態で販売することがほとんどなので、相当に劣悪な保管状態でない限り相当ひどい劣化したお茶にはなりにくいかと思います。とすれば、いくつもの楽しみ方があります。

古くなったお茶のイチバンの問題点は、「いい香り」が「イヤなにおい」になっていることだと思います。
ここを改善すべく、以下に記します。

■その1 「ほうじ茶」

写真 (7)
写真:ほうじ茶

「古くなってしまった茶葉をフライパンで炒る。」これだけでその古くなってしまった茶葉を蘇らせることが出来ます。
一番簡単な方法です。
ここで注意すべきは、「フライパンの状態」だけです。フライパンにニオイや水分、油が付いていなければOKです。

写真
写真:フライパンで焙じる様子

最近は、店に「ほうじ茶炒り器」を置いて欲しいというお客様の要望から常時置くこととしました。

写真 (4)
写真:ほうじ茶炒り器

これを使えば1煎分から「ほうじ茶」をつくることができます。
1杯の「焙じ茶」を自分で焙煎して飲む素敵な時間。
「ちがいの分かる男」のような。もちろん女性もカッコいいと思います。

写真 (1)
写真:ほうじ茶出来上がり見本。好みにもよりますが、炒り過ぎないのがポイント。目安はキツネ色。こがすと逆に香りが悪くなるので注意下さい。

そしてここにはさらなる効果があるのです。お茶を炒ると、そのいい香りがその部屋いっぱいに充満します。
それはそれはとてもいい香りです。

以前私は夕方に「焙じ茶」をたくさん炒ってつくった後、店を閉めて買い物に出かけました。
自分では無意識でしたが、僕とすれ違う人がみな振り返るのです。
そしてレジで会計をしている時、レジを打っている方がこう言いました。「とてもいい香りがするのですが、何故ですか?」と。
私は「お茶屋です。おそらくさっきまで焙じ茶つくっていたからですかね。」と。
すると後日、店に来て下さいました。「焙じ茶が欲しい」と。
 
石松園では「焙じ茶」は注文を頂いてから炒ります。
最高の状態で手渡したいからです。
数分お待ちいただいてしまうのですが、そこが「こだわり」です。

焙じ茶を炒っている動画

そしてもうひとつには「その空間の空気がまるくなる。」ということです。
すごく抽象的な表現ですが、本当にまるくやわらかな空気になります。
いろいろな場面で「癒し」という言葉が使われる今、この空気はまさに「癒し」です。
是非お試し頂きたいです。

■その2 「玄米茶」 「抹茶入り玄米茶」 「だったんそば」 「黒豆」 を加える
これも「香り」を加えることで、よみがえらせるという方法です。
「玄米茶」は焙煎した玄米の香ばしい「香り」を楽しむことが出来るお茶です。

写真 (5)
写真:玄米茶

焙煎した「玄米」やさらに焙煎してハザしたポップコーンのような「花」を加えることで生きかえります。
それ以外に「だったんそば」や「黒豆」「ハブ」などを加えることで、「香り」にプラスして健康面での効果も加わります。
特に新茶の「抹茶」を加えれば、風味も変わってきます。

写真 (6)
写真:抹茶入り玄米茶

こうした簡単な「ひと手間」で大きく変わるのです。
こうした「原料」はどこで扱っているかわからないという方は、是非石松園にお問い合わせください。
お茶以外にも、こうした原料も取り扱っております。

■その3 「フレーバーティーをつくる」

写真 (8)
写真:フレーバーティー

これも「香り」をかえるという手法です。
一番簡単なのは「みかん」や「ゆず」などの皮を乾燥させて茶葉に混ぜるというやり方です。

香料でつくられたフレーバーティーは、何故か人工的でやさしくない感じが在り、鼻につきます。
思い付きで身近にあるものでやってみると、とてもおいしいお茶ができるかもしれません。

ある人は乾燥させた「昆布」を混ぜました。それが本当の「昆布茶」だと。すると、1煎目は気付かなかったのですが、2煎目から昆布の粘り気が出て来て、これで「お茶づけ」をつくると最高においしいと気付いたそうです。
やってみると、確かに美味しいです。
そして、こういった「お茶」と相性のいいものはまだまだたくさんあると思います。

以上自由に記させて頂きましたが、この全てに共通することは「楽しむ」ということです。
たかが「お茶」ですが、この「お茶」で、楽しんだり癒されたりしていただきたいと思うのです。
伝統を大切にしながら、そこにオモシロさを加えて「世界」をもっともっと拡げていきたいと思います。

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