お茶コラム

古くなったお茶を素敵に蘇らせる方法

2014年09月24日 19:32

石松園の高野です。

 

「茶」はすてるところがないと言われています。
実際に、「荒茶(あらちゃ。生の葉を一次加工した原料茶。)」から「仕上げ茶(店頭に並ぶ製品茶。)」と
製造する過程で、「茎(くき)」や「粉」や「ケバ」「浮葉(ふわ)」など様々な部位が副産物として生まれます。
それらは一般的に「出物(でもの)」と呼ばれ、それぞれ単体で扱うこともあれば、何かと混ぜて扱うこともあります。
その形態によって、扱い方や販売先は異なりますが、何ひとつとしてすてるところはありません。

 

IMG_2110

これが「ケバ茶」です。「茶」の軽い部分で、フワフワしています。
原料の茶によって若干の違いがありますが、色も味もやさしく薄めであまり自己主張しないところがこの茶の個性です。
先日、県外で「日本茶アドバイザー」をされている方から、このホームページのコラムをご覧になったからとお問合わせを
いただきました。(お茶コラム2013.9.12 妊婦さんにオススメできるお茶とその楽しみ方)

お話を伺うと、この方は様々な「茶」を使って、「企画」「イベント」や「ワークショップ」などをされているそうで、
「ケバ茶」をお探しであるとのことでした。実際には「ケバ茶」は、どんなお茶屋さんにもあるものではありません。
上述したように加工の過程で生まれる副産物であるので、自社で「荒茶」を仕入れ、
仕上げ加工しているお茶屋さんでなければありません。

そんなお話をしたところ、いろいろなお話になり、そんなこんなで静岡県まで来て下さるという話になりました。
お店で顔を合わせて、様々なお話をさせて頂きました。
「ケバ茶」の話になったところで、私の好きな扱い方として、その場で炒って「ほうじ茶」をつくってみました。

 

IMG_2111

すると、お礼にと車から3種類の「バラの花」を持ってきて下さいました。
茶碗に「ケバ茶」と少量の「細粉(ほそこ。粉茶の一番こまかい部位。砂浜の砂のような見た目。)」を入れ、
そこに「バラの花」入れました。
色目もそれぞれで「ピンク」「鮮やかな赤」「ワイン色」で、それぞれ「香り」も「味」も特徴的でした。
ベースにした茶は同じものでも、そこに合わせるモノによってその味わいは大きく変化します。
またバラの花以外でも、柚子やみかんの皮を干して乾燥させたものでも代用することが出来ます。

 

FullSizeRender

そして、オモシロイことに、この上記2つの手法は「ケバ茶」の特性を活かして最大限に楽しむ方法ですが、
この方法で「あるもの」をよみがえらせることが出来ます。それは「古くなったお茶」です。
以前このテーマでコラムを書かせていただきましたが、ポイントは同じです。
古くなったお茶のイチバンの問題点は、「いい香り」が「イヤなにおい」になってしまった点です。
ということは、ここを改善することがよみがえらせるポイントです。

「焙じること」も「香りを足すこと」も香りを変化させるという意味があります。
どちらの茶も、ひとくち口に含んだ瞬間に自然と表情が緩んで笑顔になってしまいます。
またそれ以上に、その場の空気をまるくしてくれるという効果があります。

 

この日初めてお会いしたお客様との出会いも、そんなあたたかい雰囲気のものでした。
茶の愉しみをもっともっとお伝えしたいと思います。

 

ネットショップ

ページトップへ

石松園銘茶本舗 静岡県焼津市栄町6-7-5 TEL:054(629)6123

お気軽にご相談ください お問い合せ

2013 (c) 石松園銘茶本舗 All Rights Reserved.