お茶コラム

新茶用語の基礎知識(3)淹れた茶の表面に浮かぶキラキラの正体とは?

2020年04月24日 18:02

石松園の高野です。
日々アタラシイ新茶と向き合い、興奮しています。
この時期しか味わえない、何とも言えないワクワクする時間です。

お茶を淹れた時、水面にキラキラ光るホコリのようなものを見かけたことはありませんか?
初めてこの仕事に就き新茶を体感する中で、「何だろう?」「ゴミかな?」などと不思議に思った経験があります。
今回はそのホコリのようなものの正体についてご紹介します。

「キラキラ光るホコリのようなもの」、これは「毛茸」もうじと呼びます。

毛茸とは、茶葉が新芽から葉になる直前のごく短い間だけ生えている産毛のようなものです。
若い新芽の裏側に生えており、害虫や強すぎる日光などから幼い葉を保護するという役割があります。
幼く柔らかい葉は成長するにつれて硬くなるため、次第に毛茸の役割が必要なくなっていきます。

この毛茸は、茶葉が若くて柔らかい新芽の時期だけに生えるものなのです。
その産毛が、淹れたお茶に自然と入るため、まるでホコリのように見えるのです。
毛茸とは、植物を大切に守ってくれるとても大切な産毛なのです。
実はこの毛茸は、お茶だけでなく、他にもたくさんあるのだそうです。
例えば道端に生えている花や、野菜の苗などの茎や葉が細かい毛で覆われているのを見たことはありませんか?
これは「トライコーム」と呼ばれ、害虫を寄せ付けないようにしたり、強風時に水分が失われないようにしたり、強い光から守ったりする働きがあるといわれているそうです。
その産毛によって植物が自分自身を守る働きがあるというわけです。

この毛茸のおかげで、新茶の旨みと甘みをたっぷり味わうことができるというわけです。
お茶の樹は冬を越す間に根や古い葉にじっくりと栄養を貯蔵します。
それが少しずつ枝の先端に送られ、新芽が生まれます。
つまり新芽には冬の間に蓄えた栄養分がギュっと詰まっているのです。
ゆっくりとじっくりと育った新茶には甘み成分であるテアニンがたっぷり含まれています。
毛茸によって大切に守られ、育ってきたからであると思うのです。

若い新芽に豊富に生えている、毛茸という一見ホコリのようなものが浮かぶお茶。
それは、若く柔らかな新芽を使った上等なお茶の証であるといえます。
安心しておいしい新茶を楽しんでいただきたいと思います。

引き続き、そんなおもしろい新茶の世界を、この新茶期という流れの真っただ中にいるからこそ!!という熱をもって、お伝えしたいと思います。

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