日本茶の海外での需要と現状
2014年10月25日 22:12
石松園の高野です。
昨日は静岡市にある茶業会館で行われた「日本茶海外輸出セミナー」という会に話を聞きに伺ってきました。
静岡県は茶産地ということから、こうした勉強会がたくさん行われています。
そんな中、今回のテーマにとても興味があったので参加させていただきました。
今回のテーマは「海外での日本茶の現状」というものでした。
最近様々なメディアで「世界で緑茶が注目されている」という記事を目にしますが、ほんとうの現実はどうであるか
ということが、知りたかったのです。時間にして1時間30分の会でしたが、とても勉強になりました。
「茶」は中国で生まれて、日本に伝わり1200年になります。そして「喫茶」という文化が日本で生まれて、
ヨーロッパに伝わってから400年、当時「茶1gは金1gよりも高価で価値がある」とされていたそうです。
そこから「茶」が産業として注目され、19世紀半ばまで茶の生産を独占していた中国から、
インドネシアやインドへと拡がり、そして日本も輸出向けの産地として本格的な茶の生産が始まり、
牧之原台地が開墾されこの静岡県が一大茶産地としてスタートして150年になるそうです。
ただし、このときに生産された輸出向けの「茶」とは中国緑茶のコピー商品のことであり、
再製(釜炒り)された後に輸出されていたそうです。そうして生産された茶は、禁酒法時代に
アメリカで消費された茶の約半分にあたり、当時のティーパーティーで飲まれたそうです。
また、当時日本でも国際的な茶産地を目指して、紅茶生産にも力が入れられたそうです。
そうした歴史を踏まえての「現在」です。
世界では「健康ブームで緑茶が人気に」なり、ここ30年で輸出量は4倍以上に伸びています。
生産量も大きな伸びを見せており、中国では5倍以上も伸びています。そんな中、現在世界の
緑茶の生産量の8割は中国が占めており、輸出数量の7割以上を中国産が占めているとのことです。
それに対して、日本の緑茶は世界の中で、生産量では6%、輸出量で1%にも満たない状況です。
この現況には様々な要因がありますが、それが現況だそうです。
この日本には、ながい歳月をかけて培われてきた緑茶における「歴史」「文化」があります。
そしてそうした背景によって伝えられてきた「技術」「こだわり」「知恵」があります。
「緑茶」や「抹茶」が世界中に普及していることは事実です。
小学生の頃に社会の教科書にみた「世界の中の日本」という言葉を思い出しました。
自分なりの〝ヤリカタ〟を見つけ出したいと思います。