春を感じることのできる茶を。
2017年03月11日 16:17
石松園の高野です。
本日「茶の定期便 三月号」を発送させていただきました。
以下、今月のおしながきです。
お茶の定期便(三月)
いつもありがとうございます。
日増しに暖かくなり、早春の息吹を感じるこの頃です。
今月の定期便は、そんなこの3月を感じることができる内容をテーマに
お届けしたいと思います。
「 フレーバーティー 」 とは 。
紅茶や緑茶など【茶葉に、フルーツや花の「香り」を付加した「茶」のこと】です。
そのはじまりは中国。
世界で初めてつくられた紅茶として知られているラプサン・スーチョンだと言われています。
この茶はもともと福建省の険しい岩山に自生していた野生種だそうですが、
その茶葉に松の木を燃やした煙のフレーバーをつけてできたのがこの茶であり、
最初のフレーバーティーであると言われています。
その後、天然香料の発展と共に様々なフレーバーティーが開発されてきました。
最近では花や果実だけでなく、
キャラメルやチョコレートの香りを付加したものもたくさんつくられています。
茶葉への着香方法も様々で、香料を茶葉につける方法、
花や果実のそばにおいて香りを吸着させる方法、
ドライフルーツや花びらを茶葉に混ぜる方法など様々です。
季節や季節のイベントをイメージしたもの、またそれらを表現したものなど多種多彩です。
そして、このフレーバーティーの楽しさは、
誰でも自宅で自分好みにカンタンにつくることができるということです。
まずは飲み忘れていた古くなった茶葉などで試してみてはいかがでしょうか。
最初は失敗してしまうかもしれませんが、いろいろ試していくうちに、
きっと自分の好みのフレーバーティーのつくりかたが見つかると思います。
作りやすいのは紅茶ですが、
ほうじ茶や煎茶、さらには抹茶も面白いです。
先入観にとらわれないことがたのしさの秘訣かと思います。
(1) さくら香る紅茶 (フレーバーティー)
さくらのフレーバーティーです。
満開の桜の樹の下にいるような、ふんわりとしたあまい香りが漂う茶です。
紅茶にさくらの葉とさくらの花びらをブレンドいたしました。
さくら餅を想わせるさくらの葉の甘くさわやかな香りが春の訪れを告げてくれる紅茶です。
和菓子にも洋菓子にも合うさっぱりとした味わいが特徴です。
(おいしい淹れ方の目安) 茶葉の量 3g お湯の温度 熱湯
浸出時間 1~2分
(2) 希少 品種茶 「おくゆたか」
「おくゆたか」とは、お茶の品種名です。
お米に「こしひかり」や「あきたこまち」などという品種名があるように、
お茶にも「やぶきた」や一月にお届けした「べにふうき」
この「おくゆたか」のように品種名があるのです。
この品種の特徴は、上品で優雅な香気と旨味が強くコクがあるまろやかな味わいです。
品質においてとても優れた品種と言えるのですが、
新芽が固くなりやすく摘採時期が短いということから、
大型茶園では不向きであるとも言われており、
栽培面積・生産量・収穫量が少なく、現状なかなか出回ることのない希少品種となっています。
今回お届けする茶葉も静岡県金谷という地の個人の農家さんから分けていただいた貴重な茶葉です。
その上品で優雅な香りと旨味をお愉しみください。
(3) 濃茶パウンドケーキ
お茶屋だからこそ、抹茶を豊富に使用したしっとり濃厚なパウンドケーキです。
抹茶の風味をギュッと閉じ込めるために、
あえて重みのある食感に仕上げました。
ちりばめられた小豆が抹茶と合っておいしいです。
小ぶりなサイズでも十分満足していただける、
しっとり濃厚なパウンドケーキです。
春はもうすぐといっても、まだまだ寒い日もあります。
季節の変わり目、お身体ご自愛ください。
来月には、待ちに待った今年の新茶をお届けする予定です。
お楽しみにお待ちください。
石松園 店主 高野 一夫