暑い毎日に、いっぱいの「涼」を。
2016年07月17日 10:15
石松園の高野です。
「茶の定期便七月号」につける今月の茶についての手紙ができました。
今月も心を込めて、お届けしたいと思います。
お茶の定期便(7月)
いつもありがとうございます。熱い毎日が続きますが、皆様お変わりございませんか。
今月も、私なりに今年のベストであり、今 味わっていただきたい茶をお届けしたいと思います。
水出し煎茶(深蒸し玉露)
この写真がこの「水出し煎茶」の「荒茶(原料)」です。この時点で、絵の具のグリーンのような色合いです。
石松園の水出し煎茶は、「独自の栽培・製造によってつくる特別な茶葉」です。一般的な茶葉とは異なる栽培方法で栽培しています。
それは新芽が出てから日光から遮る「遮光栽培(しゃこうさいばい)」という育て方です。
これは、抹茶の原料「碾茶」や「玉露」と同様で、茶葉そのものに「旨み」と「甘み」を閉じ込めて、茶葉を「青く」するための栽培方法です。
またこの茶葉は、石松園指定茶園で栽培された、「石松園の水出し煎茶」をつくるために栽培して頂いたものです。
この写真の中央を境に、左側は「遮光栽培した茶葉」、右側は「遮光栽培していない茶葉」です。
明らかに色が違います。そして、この色の違いが淹れた茶の色に直結するのです。
そして「製造」においては、「深蒸し製法」を取っています。
水で淹れた瞬間に、綺麗な緑色で、旨味や甘みを感じられる緑茶をつくるということを、考えに考えた結果の製造方法です。
生産農家の方と、何度も話し合い、何度も失敗して、試行錯誤してつくってきました。
ある年には、蒸し時間が長過ぎたために細かくなり過ぎ、30kgあった生葉が途中で飛んでしまい、出来たらいくらもなかったということもありました。
また、毎年同じようにできるとは限らず、その年その年の気象条件や遮光のはじまりと終わりのタイミングによっても出来不出来が左右されてしまいます。
よくみかける「水出し煎茶」は、「粉茶やケバ茶」に「抹茶や粉末緑茶」を混ぜ合わせたというものが多いです。
この製造方法はローコストで製造できるというメリットがありますが、品質面におけるデメリットもあります。
まず、色は出やすいのですが、原料の性質上、短時間で黄色く変色してしまうということ。
そして、抹茶や粉末緑茶で色付けしているために、一回で色が出切ってしまうということです。
またこれも原料によりますが、茶本来が持つ「香気」や「滋味」を味わうことが出来ないということです。
それを、どうしたら克服できるかと生産農家の方々と取り組んでつくったのが、この「水出し煎茶」です。
石松園では、「リーフ(茶葉)急須で淹れるタイプ」と「ティーバッグ」の2種類の「水出し煎茶」をつくっております。
そして、それぞれ生産地・つくり方を変えています。
「リーフ」は、「滋味」を最重視しております。
「ティーバッグ」は、「綺麗な色」を最重要視しています。
今回はその2種類をお楽しみいただきたいと思います。
そしてどちらも共通して、「一回でたくさん飲めること。」を意識しています。
上記したように、茶葉自体を青く栽培し、深蒸し製法で茶葉の成分が出やすく製造しているため、
水の中で茶葉をかき回したり、振れば振るほどに色と風味が出るように作っております。
(1)水出し煎茶 「森の改良手もみ茶」(深蒸し玉露)
石松園の茶「森の改良手もみ茶」の茶園の一角で先述した「遮光栽培」をした茶葉で作りました。
山の茶ならではの「滋味」をお愉しみください。
(2)水出し煎茶ティーバッグ 岡部町(深蒸し玉露)
玉露・抹茶の名産地岡部町の厳選した茶園で「遮光栽培」をした茶葉を深蒸し製法で.作りました。
綺麗なグリーンと茶の持つ甘味をお愉しみください。
この暑い夏を、楽しく、健康に、過ごしていただきたいと思います。
お茶の石松園 店主