お茶コラム

発表!!「森の改良手もみ茶2020」

2020年05月13日 21:28

石松園の高野です。
石松園の代名詞ともいうべき茶、「森の改良手もみ茶」の2020年新茶が出来上がりました。
飲んだ瞬間、頭をハンマーで叩かれたような一撃。
これこそが、この茶の持つ魅力です。

私は初めてこの茶を飲んだ時には、正直おいしいとは感じませんでした。
「すごいな」とは感じましたが、これまで口にしたことの無いインパクトの強い飲み物という印象でした。
「決して万人受けするものではないんだろうな」とも感じました。
その印象は「エルモア・ジェイムス」というブルースマンでした。
それを覚えました。

現実に、石松園の顧客様の「いつものお茶送って」という依頼の8割近くがこの茶です。

元来この茶は、石松園の初代 濱吉が石松園を始めるきっかけとなった茶です。
当時保険屋を生業としていた濱吉は、この茶に魅せられたあまり、保険屋の職を辞し、お茶屋をスタートしたのでした。
「くりくりととした形状の茶が、猿の手がつながったようにある」というのが初期のイメージであったそうです。
そこから「改良手もみ」という名が付き、始まりました。

時代の流れに、手ではなく機械で製造するようになりました。
そうして2代目 孝、そして三代目の私と流れる中で、いろいろと変化してきています。ただ絶対に変えてはいけないのは、上記したこの茶の絶対的な魅力です。どんなに感覚が鈍ろうとも、ここだけはまもらなければいけないと感じています。そうした中、敢えてこの茶の銘もそのままにしています。

石松園にとっての新茶には毎年越えなければいけない大きな壁が在ります。
それはこの「森の改良手もみ茶」そのものです。
もちろん新茶に向かう気持ちはいつも大切ですが、この茶に関してはやはり特別なものが在ります。

石松園の顧客様は私よりも、この茶を飲みつづけてくださっています。
今90歳の顧客様は、私が生まれる前から、「森の改良手もみ茶」の味を知っているのです。本当に有り難いことに、私が三代目を引き継いだように、石松園の顧客様としての三代目を襲名された方もたくさんいらっしゃいます。
そんな方々に「いつものおいしいお茶だね」と言っていただくことが全てです。

さあ、発送開始させていただきます。
引き続き、そんなおもしろい新茶の世界を、この新茶期という流れの真っただ中にいるからこそ!!という熱をもって、お伝えしたいと思います。

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