お茶コラム

第5の「味」、うまみ。~「茶」と「和食」のアタラシイ関係~

2015年02月21日 17:44

石松園の高野です。

昨日と今日、店において「はじめての抹茶体験」という講座を行いました。
その中で、静岡県岡部町の「抹茶」の話からいろいろな質問が飛び出し、「玉露」についての話となりました。
では、「玉露」を存分に愉しみましょうという延長講座となり、淹れた後の茶葉にポン酢をかけて食べるという体験をしていただきました。
これには皆さん驚かれた様子で、「味わったことのない旨み」という言葉まで飛び出しました。
「抹茶」の原料である碾茶、「玉露」は茶葉に「うまみ」を凝縮させるために遮光栽培をしますと皆さんに説明しながら、
私はこんな話を思ったのでした。

抹茶

「和食」に欠かせない味の要素のひとつに『うまみ』があります。
この「うまみ」が、ここ最近、世界から注目されているそうです。

もともと「味」というのは、「甘味」「酸味」「苦味」「塩味」の4つで構成されていると考えられてきたそうですが、
1908(明治41)年に東京帝国大学の池田菊苗教授によってもうひとつの第5の要素『うま味』が発見されたのだそうです。
そしてその翌年、小麦からグルタミン酸を抽出する方法が発明され、世界で初めて、うま味調味料として発売されたそうです。
その後も、その研究は世界でも認められ1985(昭和60)年には『UMAMI』が国際的に使用されることとなったということです。

もともと日本語には、おいしさをいう『旨味(うまみ)』ということばがあります。
「旨い」が変化したもので、「旨」は【熟した果実の味】をいう「熟む(うむ)」からきているそうです。
古くは〔うまい〕や〔うまみ〕に「甘い」「甘味」の漢字をあてることもあり、甘い味が旨い味と考えられていたということですが、
近代になって日本でうま味の研究が進み、うま味にはグルタミン酸の他にもイノシン酸、グアニル酸という成分があることが解明されてきたそうです。

世界の食材にも「うまみ」は、含まれています。
例えば同じグルタミン酸を含むものに、「昆布」と「チーズ」があります。
ただし、その量を比較してみると、昆布はグルタミン酸が突出しているそうです。
よって、昆布を使えばうま味成分が濃い、純粋なダシをとることが出来るということになります。
そしてこの純粋なダシこそが、世界で日本のうま味が注目される理由なのだそうです。
そのため、今世界では日本の「うまみ」を取り入れようと和食の料理人を招いた「うまみ」のシンポジウムが各地で開催されているということです。

先日、友人がこう言いました。
「煮物や味噌汁にダシという意味合いで「抹茶」を入れるとうまみが増すよ。」と。
そう聞いたときはとても驚きましたが、よく考えてみると理論上は正しいと感じます。
どんな色合いで、どんな風味になるのか。そして、どんな「うまみ」を味わうことが出来るのか。とても興味深いです。

最近では、「お店の抹茶をこんな風に使ったよ。」と教えて下さるお客様も増えてきました。
フライドポテトやポテトチップスにかけて混ぜたり、
塩辛にふりかけたりと、とても斬新で新鮮です。
「どんな使い方が出来るのか?」
まだまだ拡がりそうで、とても楽しみです。

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