お茶コラム

素敵なプレゼント。

2016年12月19日 22:58

石松園の高野です。
クリスマスまであとわずかの今日、私の茶の師範 尾村さんから一本の電話をいただきました。

「とてもいい茶が揉めたのだが、見てみないか。」とのお話でした。

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驚くほどに、美しい「手揉み茶」でした。
けあしが長くて、一本にしっかりと揉みこまれています。
湯に浸すと、ゆっくりと一枚の綺麗な葉にもどる。
そんな茶葉です。

手揉み茶とは、一切機械を使わずに、手だけで作り上げた茶葉のことを言います。
蒸した茶葉を、焙炉(ほいろ)と呼ばれる加熱された台の上で、
手で茶葉を ほぐす、こねる、揉むなどの作業を行い、
乾燥させながら形を整えて仕上げてゆきます。

左側が「玉露」、右側が「煎茶」です。
菰(こも。藁を編んでつくった布地。)をかけて、
遮光栽培(日光から遮って栽培)したのが「玉露」で、
日の光の下で栽培したのが「煎茶」です。

どちらも手で揉んだことに変わりはないため、
形状は似ていますが、色味と香りが異なります。

「玉露」は前述した栽培方法による独特な甘い覆い香が感じられて、
茶葉の色も濃い緑色です。
一方、「煎茶」は、まるで新茶のようなフレッシュなやさしい香が感じられて、
茶葉も淡い緑色です。

これほどの茶葉はとても珍しく、一般には流通することのないものです。
それ故、他と比べることもできず、希望小売価格といったものもない茶です。

最後に尾村さんは言いました。
「高野さん、これをどう扱えるかがとても大切だよ。
一番いい方法を考えて見付けてほしい。」

とても大きな、大きなプレゼントをいただきました。

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