茶の定期便(プレミアム)二月号。
2017年02月16日 19:54
石松園の高野です。
これまで「茶の定期便」という企画を行ってきていますが、
昨年末からその特別版「茶の定期便(プレミアム)」をスタートさせました。
これは通常の定期便よりもさらに茶の世界の神髄へというテーマで
基本は単一農園の茶葉から、さらに生産家個人までへと、
こだわりの茶葉をお届けするという内容です。
ここ数回、茶そのものに向かってきましたが、
今回は少し切り口を変えて「風邪の予防と茶」をテーマに
お届けしました。
以下に、今月の茶の定期便(プレミアム)に付したお手紙です。
お茶の定期便 (二 月)
これまで、さまざまな予防法の中で、
「緑茶でうがい」することがインフルエンザの予防に効果的であるということはよく言われてきました。
そのことに加えて、「緑茶の飲用」でも有効性があるという発表がなされました。
お茶を飲むこと自体が予防となるのです。
また、「インフルエンザ」だけでなく、「ノロウイルス」などにも
緑茶カテキンが持つ抗ウイルス作用は有効であるともいわれています。
「茶」の飲用は、ウイルス感染に対する免疫力を高め、
「茶」の持つビタミンCとともに感染にかかりにくい身体の環境を整えるのだそうです。
そして、この点で大切なことは「カテキン」という成分がしっかりと含まれていることです。
そうした観点から、複数の茶種を愉しみながら風邪の予防もできる、茶を選択させていただきました。
(1) 掛川産 深蒸し煎茶
茶の製造における最初の工程「蒸熱(茶の葉を蒸気で蒸す)」における一般的な蒸し時間は30秒~40秒ですが、
「深蒸し煎茶」はその倍の60秒~80秒ほど蒸します。
蒸すことにより渋みが抑えられ、また葉が細かくなり、抽出すると濃い緑色でまろやかなコクがあるのが特長です。
茶にはいろいろなタイプの茶質がありますが、この「深蒸し煎茶」は飲みやすく、
誰が淹れても同じように淹れることが出来る茶であるかと思います。
(2)川根産 浅蒸し煎茶
蒸す時間が短いため、茶葉の形状がしっかりとした茶です。
そのため、淹れた茶の味わいはとても優しく、甘み・旨味の強い茶です。
淹れた茶の色は山吹色です。
近年は湯呑みにしっかりと緑色が表現されることがおいしい茶のポイントであるという風潮もありますが、
この茶には、この茶ならではの茶のおいしさが在るのです。ホッと安心するお茶です。
(1)の深蒸し煎茶の対極に位置する茶であるかと思います。
(3) 森町産 森の改良 手もみ茶
「本物の茶は濃さで語る。」
石松園の初代濱吉が静岡県遠州森町からさらに山深い、川霧の立ち込める地に見つけた茶園の茶です。
この茶は「森の改良手もみ茶」と名付けられ、現在も本物を志向されるお客様から絶大なご支持をいただいております。
当時、この茶を作る独自の製法はこの地一帯に伝えられていたのですが、現在では唯一軒にのみとなりました。
この茶の特徴は、「濃さ」を有するということ。色・滋味・香りその全てにおいて唯一無二の濃厚さと重厚さをもちます。
もちろん、今回のテーマであるカテキンもしっかりと濃くあります。
(4) 森町産 くき茶 (棒茶)
森の改良手もみ茶を仕上げる過程で取り外した茶のくきの部分を集めておつくりしたのが、この「くき茶(棒茶)」です。
この茶は、茶の茎が持つさわやかな香りが特徴です。
そして熱湯で淹れても渋みや苦みが出にくいため、とても淹れやすく飲みやすい茶です。
特に食事中に飲むのに最適ではないかと思います。
また、古くからの言い伝えに「茶柱が立つと吉事の前触れ」とあります。
この話を小学校でのお茶教室ですると、我先にとこの茶を飲みたがってくれます。
受験真っただ中のこの時期の学生たちに、幸運を運んでくれるかもしれません。
そんな魅力ある「くき茶」をお愉しみください。
(5) 濃茶マドレーヌ & 抹茶チョコレート
この2月はバレンタインデー、そして3月はホワイトデーもあることから、
石松園ならでは茶のスイーツをお届けしたいと思いました。
どちらも職人さんと話し合って、何度も何度もサンプルを作っていただきながら、
抹茶の風味を最大限に感じていただくことができるようにおつくりいたしました。
この定期便限定の企画として、お届けさせていただきます。
以上、今月は「茶」の持つ健康効能にスポットをあてて、この「定期便」をお届けいたします。
水代わりにお茶をたくさんお飲みいただき、
緑茶カテキンが持つ抗ウイルス作用を充分に摂取し、
健康な毎日をおくっていただきたいと考えております。
暦の上では春といっても、まだまだ寒い日が続きます。
お身体ご自愛ください。
お茶の石松園 高野 一夫