お茶コラム

茶師・高野が妊婦さんにおススメできるお茶とその楽しみ方

2013年09月12日 20:45

石松園の高野です。

私の友人に現在妊娠されている方がいらっしゃいます。先日話の中で「身体のことを一番に考えると、飲むものも考えなくてはならないし、何を飲んでもおいしくない。」と話していました。

以前、ある幼稚園の「母親学級」でお茶講座を行った時に「お茶とカフェインについて」の質問がとても多かったことを思い出しました。

では「カフェイン」はそんなにいけないものなのでしょうか?

調べてみると、カフェインには以下の作用があるそうです。
カフェインの作用
1.(中枢神経興奮作用)感覚受容や精神機能を高め、眠気や疲労を除去し、運動機能を高める。(覚醒作用)
2.(骨格筋に対する作用)疲労感をおさえ、活動性を増大させる。骨格筋に直接作用し筋肉の収縮を増強する。
3.(心臓に対する作用)心筋に直接作用し収縮力、拍出量を増加させる。
4.(利尿作用)腎臓の血管を拡張させ腎臓への血流量が増加し尿の生成を促す。
5.胃酸分泌を促進
6.基礎代謝を増加

ただし、大量に摂取すると不眠、不穏、精神興奮、筋緊張、頻脈、呼吸促進などがみられるそうです。

では、「飲み物別」にみるとその含有量はどれくらい違うのか?
<飲み物>     <150ml(約コップ1杯)あたりのカフェイン含有量(mg)>する作用)動性を増大さ
コーヒー       65~100mg
ココア        50mg
コーラ        35~45mg
緑茶         30mg
烏龍茶        30mg
紅茶         30mg
番茶         15mg

※茶に関して、含有量は若い芽に多く、成熟した芽では減少するというデータが在ります。
また、「ほうじ茶」のように茶葉を高熱で焙煎することによって、カフェインは昇華(固体から気体に直接変化すること)し、より減少すると言われています。また、「水出し」という淹れ方にすれば、さらに減少させることができます。

次に、カフェインは1日にどのくらいの量を摂取していいのか?
一般的には、1回200~300mgで1日の限度は1000mgだそうです。また、妊婦さんや授乳中のお母さんは1日300mgまでがその目安だそうです。コーヒーで言うと、だいたい1日1~3杯程度です。

以上のことを踏まえると、「飲み方」や「飲む量」を少し気にするだけで、お茶を飲んでリラックスしたり、カフェインの効果で頭や気持ちをスッキリさせることもできるかと思います。
男である私には想像でしかありませんが、妊娠期間中というのは、特に初めて経験する方にとっては、不安だったり、ストレスがたまったりと、とても大変な期間だと思います。
だからこそ、「お茶」でリラックスしたり、癒されたりできるようお手伝いをしたいと思うのです。

私が今回お勧めする「茶」は、「番茶」と「川柳(柳茶)」、「ケバ茶」です。     

「番茶」とは、その年最初に出た新芽でつくる「新茶一番茶」ではなくて、2番茶以降のお茶を指して呼びます。

写真 (9)

「品質が悪いの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではないというのが私の考えです。
確かに価格的には値頃であり、安く購入できますが、この「2番茶」には2番茶だからこそ持ちえるスゴさがあるのです。
特に「健康効果」という点から言えば、素晴らしいお茶であると言えます。高価だからいいということではなく、それぞれにそれぞれの特徴が在ると私は考えています。
だからこの「番茶」こそが、「妊婦さん」にとっては「初物の新茶」よりもベストなお茶であると私は思います。
その理由は、
(1)さわやかな香味を気軽に楽しめる。  口当たり、香りが軽快でゴクゴクお飲み頂けます。
(2) 食事中・食後に飲むのにピッタリ。  カテキンが豊富で、口の中をさわやかにし、口臭予防効果が在ります。また、このカテキンは「風邪の予防」や「糖尿病予防」などの効果も期待できます。  
(3)カフェインが少なく、たくさん飲むことが出来る。

「柳茶」は、あまり馴染みのない名前かもしれません。

写真 (8)

石松園でもここ数年は店頭に並べることはあまりなく、「茶小売店」様からの注文に応じて出荷するくらいでした。
このお茶は茶業界では「出物」と呼ばれており、茶を仕上げるときに出てくる 「茎」や「粉」、「浮葉(粉より大きい葉の粉末。)」「頭(おおきな茶葉)」の主にくきや頭の部分です。
あっさりとした風味がその持ち味です。先日店に訪れた茶の資材屋さんに出したところ「懐かしい味がする。」と言われていました。
まさに、そんな安心するお茶です。

「ケバ茶」。

写真 (6)

これも「柳茶」同様に、「茶小売店」様からの注文に応じて出荷するくらいでした。ただ、やはりこのお茶にも魅力が在るのです。これは上記した「柳茶」よりもよりフワフワしたもので、とても軽い部分です。 淹れた時の色も味も薄いです。ですがその「やさしい感じが、このお茶ならでは」ということが出来ます。 

また上記3種類は「フライパンで炒って」 ほうじ茶にすると最高においしいです。

写真 (7)

甘く、やさしい、とても香りのいい「ほうじ茶」が出来上がります。
また、この茶葉を炒っている時間こそが最高です。そしてその香りは1日中部屋の中に拡がり、部屋の空気を丸くしてくれます。
これら全てを、「妊婦さん」に味わって頂きたいです。

先日同業者のおじいさんが行っていました。「わしのオヤジもよく言ったが、お茶には何にも捨てるとこがない。全部飲める。これがお茶の本当にすごいところだよ。」と。

そんな「茶」の持つ力が、人々の「楽しさ」や「癒し」となるように伝えることが私のしごとです。

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