お茶コラム

「抹茶ラテの素」でも「グリーンティー」でもなく、石松園では「ウス茶糖・うす茶糖・薄茶糖」と呼んでいます。

2013年09月10日 23:21

石松園の高野です。

ここ最近、お客様からよく「ありますか?」とお問い合わせ頂く商品が在ります。
そのお問い合わせは、30代後半からそれ以上の方から聞かれます。

その商品名は「ウス茶糖」と「うす茶あられ」です。

静岡県外にお住まいの方にはあまり馴染みがない飲み物かもしれないのですが、昭和の時代、静岡県に育つ子供達はみんな子供の頃にこれを飲んで育ったという程、ポピュラーな飲み物だそうです。

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「ウス茶糖」とは、上質の抹茶と白砂糖を混ぜ合わせたもので、水に溶かすだけで「抹茶ドリンク」がつくれるとして昭和8年に誕生したそうです。水の溶かすだけという手軽さと甘くさわやかな冷たいドリンクとして当時は画期的な新ジャンルの飲み物として大ヒットしたそうです。昭和10年頃には、海を渡り満州や香港、そして遠く南洋諸島からも注文が来たそうです。戦時中は、砂糖の配給停止によって一時製造は中止となったそうですが、昭和24年頃にはまた製造が再開され、「夏の冷たい飲み物」として長く親しまれてきたという歴史が在るそうです。だから静岡県では「子供のころを思い出す懐かしい味」としてまた「夏には欠かせない飲み物」として在るのだそうです。

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「うす茶あられ」は、「ウス茶糖」にあられを加えたもので、「あられの香ばしさ」を味わうためにホットで飲むとおいしい飲み物です。また、飲みながら「あられ」もそのまま食べることが出来ます。石松園ではこの「あられ」にこだわり、「抹茶玄米茶」にも使用している熱風で焙煎したプリプリして艶のある玄米を使用しています。「玄米」には、健康面における様々な効果が在ると言われています。例えば、「食物繊維が豊富であり、便秘ンピの解消やコレステロール・脂肪・糖分の吸収をされにくくし、体外に排出しやすくすること」「ビタミンB1が豊富であり、疲労回復効果があること」などです。また何よりもその淹れた時の「香り」にホッとする安心感があり、1日の疲れも吹き飛ばす「癒し」の効果があると思います。

この2つの飲み物はお湯で飲んでも水で飲んでもおいしいです。また牛乳と混ぜたり、アイスクリームにかけたりして愉しむこともできます。

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石松園では現在も、製造し販売しております。ただ時代の流れと共にその販売形態や商品名がその時々で変化してきました。「ウス茶糖」は「抹茶ラテの素」として販売していました。そして静岡県内のお茶屋でも昔ながらの名前ではなく、「グリーンティー」として販売されているお店もあります。そんな状況の中、私は敢えて昔ながらのスタイルに戻し、その歴史に敬意を表したいと思いました。昔は店の横にある作業場で父は全身真緑になりながら、せっせとこの「ウス茶糖」をつくったそうです。

この静岡県が誇る「飲み物」をたくさんの方々に飲んで頂きたいと思います。

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