石松園の製菓用抹茶がフランスに進出します!
2014年03月07日 15:52
石松園の高野です。
最近この「お茶コラム」を見て下さって、お問い合わせいただくお客様が増えてきました。本当に心から嬉しく思います。
先日はフランスのボーヌという街にに在る「竈媚(ビソー)」様というレストランからお問合わせを頂きました。
以前描いたコラム 7月24日「本物の業務用抹茶・スイーツ用抹茶・お菓子用抹茶ならお任せ下さい!」 をご覧いただいたということでした。そして抹茶についていくつかのご質問を頂きましたので、そのひとつひとつに丁寧にお答えさせていただきました。そして石松園でお取り扱いさせて頂いている抹茶には「一番摘み」「夏摘み」「秋摘み」と3種類あること、そしてそれぞれの栽培方法~製造方法、そこからくる価格の違いなどについてご説明させていただきました。
石松園が自信を持っておすすめしている「抹茶」の写真です。
左上が「一番摘み」、右上が「夏摘み」、下の写真が「秋摘み」です。こうしてみるとどの「抹茶」も濃い緑色です。
これは石松園の徹底した「こだわり」によるものです。それは以下の3点です。
(1) 石松園では契約した静岡県の農家の「遮光栽培した茶葉(碾茶。抹茶の原料。)」しか使用していないということ。
(2) 石臼で挽いたものしか「抹茶」とは呼ばないということ。
(3) 安心安全であること。
上記3点は、私や私と共に「静岡抹茶」の品質向上に取り組んで下さっている農家の方達からすると当然のことなのですが、現実にはそうでないものも「抹茶」として流通していることもあるということが最近分かってきました。というのも、上記させて頂いた「抹茶」に関するコラムをご覧になって、実際にネットショップなどで購入された「抹茶」をお持ちになられて相談を受ける機会が増えてきたからです。よくある相談は「シフォンケーキや蒸しパンを作ったけど、緑色ではなく、黄色っぽくなってしまった。」というものが多いです。
これは実際にお客様がお持ち下さったものです。
石松園の「抹茶」と並べてみると、違いは一目瞭然です。
おそらく「遮光栽培されていない原料」であると思われます。それは「香り」です。遮光栽培とは、菰(こも。わらを編んで作ったゴザのようなもの。)や寒冷紗(かんれいしゃ。化学繊維でつくられたネット。)を被せて、日光から遮断して栽培します。そしてその遮光栽培された茶葉には特有の「覆い香」が在ります。
またもうひとつには、「石臼で挽いていない。」こともわかりました。最近では「ボールミル」などの茶葉を叩き潰して粉砕したものをよく見かけます。この製法は早く大量につくれるという利点はありますが、粒子の大きさにバラツキが在り、また粒子の形状が球形ではないため、抹茶特有のなめらかさがありません。そしてそれを見分ける方法があります。これは石臼づくりの名人から教わったのですが、「石臼で挽いていない抹茶」は茶筅(ちゃせん)で点てても泡がたたないそうです。実際にやってみたら、たちませんでした。
話が大分それてしまいましたが、こういうことをしっかりとご理解いただき、納得頂いたうえで「抹茶」を扱って頂きたいと私はいつも思います。ですから、お菓子を誠心誠意おつくりされていらっしゃる職人の方には本物の抹茶を使用して「本物の抹茶スイーツ」をつくって頂き、その先のお客様に「本当においしいね。」とお喜び頂きたいのです。
そして数日後、再び電話を頂きました。サンプルのご依頼でした。
そしてその数日後、ご注文を頂きました。
電話の中で「実際に使用してみてそれぞれの違いがよくわかった。」とおっしゃっていただくことが出来ました。「一番摘みの風味の奥行きははっきりとよくわかり美味だったが、用途からすると夏摘みの綺麗な色が使いやすい。」とおっしゃっていただきました。さすがプロであると感激いたしました。というのも、この「一番摘み」と「夏摘み」はじつは生産者が異なるということもあり、それぞれにそれぞれの特徴がはっきり別れる出来栄えであったのです。どちらがいいとか悪いとかいうことではなく「好み」がわかれるかなと私も考えていました。ここまでご理解いただき、扱って下さることを本当に心から嬉しく感じます。
最後に「竈媚(ビソー)」様の紹介をさせて頂きたいと思います。
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フランスワインといえば世界中のマニア垂涎の的。そのひとつは紛れもなくブルゴーニュワイン。そしてここボーヌはブルゴーニュワインのメッカです。私達は日本人として、ブルゴーニュの地元で育まれる食材で創った日本料理を、偉大なブルゴーニュワインはもちろん、心に染みわたる秀逸な日本酒にも合わせて皆様に提供する事を夢見てきました。長年の試行錯誤により生まれた、日本とフランス文化の融合を心ゆくまでお楽しみ下さい。
「媚竈 Bissoh」命名の由来
京都・大原に「曼殊院(一乗寺)」というお寺があります。この玄関に掲げられた扁額に記された「媚竈」の2文字。「竈(かまど)に媚びよ」と書かれたこの文字は、現在の曼殊院(江戸時代・明暦2年、1656年再建造営)を築いた良尚法親王によるもので、論語の「その奥に媚びんよりは、むしろ竈に媚びよ。」からとったものです。
いつかお店を訪ねさせていただくことが私の目標となりました。