カフェインの少ないお茶を選ぶなら、お茶屋に聞くのが早い!!
2014年12月24日 16:35
石松園の高野です。
今日は、横浜市にお住まいの青木さんからのご質問にお答えしたいと思います。
「現在、妻が妊娠中だけど、お茶が大好き。カフェインがあるお茶は我慢した方がいいの?」というご質問です。
以前、ある幼稚園の「母親学級」でお茶講座を行った時に「お茶とカフェインについて」の質問がとても多かった
ことを思い出しました。まず、「カフェイン」は、どういった作用をもたらすのでしょうか?
そんなにいけないものなのでしょうか。調べてみると、カフェインには以下の作用があるそうです。
<カフェインの作用>
1.(中枢神経興奮作用)感覚受容や精神機能を高め、眠気や疲労を除去し、運動機能を高める。(覚醒作用)
2.(骨格筋に対する作用)疲労感をおさえ、活動性を増大させる。骨格筋に直接作用し筋肉の収縮を増強する。
3.(心臓に対する作用)心筋に直接作用し収縮力、拍出量を増加させる。
4.(利尿作用)腎臓の血管を拡張させ腎臓への血流量が増加し尿の生成を促す。
5.胃酸分泌を促進
6.基礎代謝を増加
ただし、大量に摂取すると不眠、不穏、精神興奮、筋緊張、頻脈、呼吸促進などがみられるそうです。
次に、「飲み物別」にみるとその含有量はどれくらい違うのか?
<飲み物> <150ml(約コップ1杯)あたりのカフェイン含有量(mg)>
コーヒー 65~100mg
ココア 50mg
コーラ 35~45mg 抹茶 45mg
緑茶 30mg
烏龍茶 30mg
紅茶 30mg
番茶 15mg
※茶に関して、含有量は若い芽に多く、成熟した芽では減少するというデータが在ります。
また、「ほうじ茶」のように茶葉を高熱で焙煎することによって、カフェインは昇華し
(固体から気体に直接変化すること)、より減少すると言われています。また、「水出し」という淹れ方にすれば、
さらに減少させることができます。そして、カフェインは1日にどのくらいの量を摂取していいのでしょうか?
一般的には、1回200~300mgで1日の限度は1000mgだそうです。また、妊婦さんや授乳中のお母さんは
1日300mgまでがその目安だそうです。コーヒーで換算すると大体1日3杯程度、緑茶で換算すると、8~10杯程度
ということになります。以上のことを踏まえると、「飲み方」や「飲む量」を少し気にすることが大切なことであると思います。
お茶やコーヒーを飲むことで、リラックスできたり、カフェインの効果で頭や気持ちをスッキリさせることはいい気分転換に
なるかと思います。経験できない私には想像でしかありませんが、妊娠期間中というのは、特に初めて経験する方にとっては、
不安だったり、ストレスがたまったりと、とても大変な期間だと思います。
だからこそ、「お茶」でリラックスしたり、癒されたりして、その期間を有意義な時間にしていただきたいと思います。
そこで、今回、私が青木さんにオススメしたい「茶」は、「ケバ茶」です。
浮葉(ふわ)とも言います。
石松園でもここ数年は店頭に並べることはあまりなく、「茶小売店」様からの注文に応じて出荷するくらいでした。
このお茶は茶業界では「出物」と呼ばれており、茶を仕上げるときに出てくる 「茎」や「粉」のフワフワしたもので、
とても軽い部分です。茶をきれいに仕上げた際に出る副産物です。「品質が悪いの?」と思う方もいらっしゃる
かもしれませんが、そうではないというのが私の考えです。確かに価格的には値頃であり、安く購入できますが、
このお茶にも魅力が在るのです。「やさしい感じが、このお茶ならでは」ということが出来ます。
あっさりとした風味がその持ち味です。
先日、店に訪れた茶の資材屋さんに出したところ、「懐かしい味がする。」とおっしゃっていました。
まさに、そんな安心するお茶です。