今夜、いっぷくの「茶」を。
2016年09月27日 19:06
石松園の高野です。
今月も「茶の定期便」を発送させていただきました。
今月はいつもより大分遅い発送になってしまったのですが、
どうしても今月届けたい「茶」があったために、お待たせしてしまいました。
今回のために無理を言って麓さんに「烏龍茶」を作っていただいたのでした。
今回この定期便のために、4.7㎏の茶葉が出来上がり、すぐに届けてくださいました。
そして出来立ての茶葉をすぐに袋に詰めてお送りさせていただきました。
以下に、同封した「今月の手紙」を記します。
お茶の定期便(9月)
いつもありがとうございます。
日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、皆様お変わりございませんか。
今月も、今 味わっていただきたい茶をお届けしたいと思います。
今月は発送が遅くなり、申し訳ありません。本来、毎月半ばにお届けさせていただいていますが、
今月は雨が多く、今回この企画のためにつくった烏龍茶が遅れてしまったのがその要因です。
その分、つくりたての出来立てほやほやの烏龍茶をお楽しみください。
今月のテーマは「秋の新茶」です。
あまり耳にすることのない言葉かもしれませんが、茶の世界では古くから伝わるものです。
ひとつには、「四番茶」といって今年度最後の茶葉の摘採を行います。
気候状況が4月と似ていることから、この時期に作られる茶は~味の春茶・香りの秋茶~とも言われるほどです。
また近年の茶の消費低迷から摘採が行われることが少なく、希少価値があるといわれています。
今回の【烏龍茶】はこれにあたります。
もうひとつには、春に摘んだ茶葉をこの時期にどう仕上げるかが茶師にとってとても大切な仕事です。
夏を越した今、茶葉はその内質が変化します。
旨味が増す茶葉、香りが増す茶葉など、ひとつひとつが時間を経ることによって、それぞれの個性が現れてくるのです。
この春の新茶期に出会った茶葉が成長し熟成されて、角が取れてまろやかになり、香りや味わいが深まるといった感じです。
今回の【森の改良手もみ茶】はこれにあたります。
そんな「秋の新茶」をお愉しみください。
(1) 和烏龍茶(かぐや姫)
藤枝市、麓氏の茶です。麓さんは「あるがまま、なるがまま。」というテーマを持ちながら、
お茶づくりに取り組んでいらっしゃいます。
今回の茶は茶葉を月の光の下で、萎凋(いちょう。簡潔に言えば、茶の生葉をしおれさせること。)させてつくった「烏龍茶」です。
この9月の月光の下でつくる茶であることから「かぐや姫」と名付けています。
今回は「さやまかおり」という品種の茶葉でつくりました。
袋を開けた瞬間にフワッと拡がり、鼻孔に届くなんとも形容しがたい甘美な香りがこの品種の特徴です。
また、飲み口もとてもやさしい甘みのある茶です。
まさに「癒し」を与えてくれる茶とは、こういう茶のことであると思います。
高根山のふもとで、様々な「茶の可能性」に取り組むその姿勢が「茶葉」にもしっかりと表現されていると感じます。
とてもやさしい茶です。
石松園と麓さんのチームで、「世界緑茶コンテスト」においては何度も、最高金賞や金賞を受賞しています。
(2) 森の改良 手もみ茶
この茶は石松園の代名詞というべき茶です。
石松園の初代 濱吉が静岡県遠州森町からさらに山深い、川霧の立ち込める寒暖差の激しい
山の北側の斜面に茶畑を見つけたのが、この石松園のはじまりです。
この地の茶は「森の改良手もみ茶」と名付けられ、三代目である私に至る現在もなお、変わる
ことなく栽培・製造させていただいております。
この茶の風味の特徴をひとことで表すなら、
「山の香りと重厚な味わいを有する」ということです。
今回、2016年度産の茶葉の中から、
5月7日花島義久さん摘採・製造の茶葉を石松園が仕上げた「2016 №3」をお届けいたします。
ひと夏越して、その個性を柔らかく表す茶の深みをご堪能いただきたいと思います。
季節の変わり目体調管理には十分に留意され、秋の夜長を一杯のお茶とともにお愉しみください。
お茶の石松園 店主
以上、お送りさせていただきました。
季節の変わり目に、季節の変わり目を表現した「茶」をお愉しみいただきたいと思います。