「妊娠中、お茶を思いっきり楽しむ方法。」
2016年10月05日 22:41
石松園の高野です。
今日は偶然にも、妊婦さんから2件のお問い合わせをいただきました。
そしてそれは、ちょうど友人からのうれしい知らせの直後であったために、とても驚きました。
だからこそ、今回はこのタイトルに真剣に向き合って描きたいと思います。
1件目は「母から石松園さんの【水出し煎茶】をもらったが、妊婦の私が飲んでも大丈夫ですか?」
2件目は「妊娠中におすすめのお茶をおしえてください。」 というものでした。
以前、ある幼稚園の「母親学級」でお茶講座を行った時に
「お茶とカフェインについて」の質問がとても多かったことを思い出しながら、
それぞれにお答えさせていただきました。
まず最初の質問。
水出し煎茶の最大の長所は、「苦みがない」という点です。
お茶における苦み成分とは、カフェインの成分です。
一般的に、茶におけるカフェインは80℃以下では抽出されにくいといわれています。
つまり、水出しのお茶にはカフェインが少ないと言うことができます。
だから飲んで大丈夫です。
以下にその解説を記します。
お茶を淹れる際の重要なポイントに、淹れる湯の温度があります。
これによりどんなお茶が湯呑に入るかが決まります。
そしてそれを決める主な成分は、
「テアニン(甘味・旨味)」「カテキン(渋味)」「カフェイン(苦味)」の3つです。
一般的に、テアニンの浸出する温度は低温(30℃~40℃)、カテキンは中温(60℃~70℃)、
カフェインは高温(80℃~)と言われています。
また浸出する成分の強さは、テアニン < カテキン < カフェイン です。
だからグラグラ沸騰した湯で淹れると、アツアツで苦みの強いお茶が入るのです。
よって逆に言えば、淹れる時には、これらのうちどの成分を出すかによって淹れる温度を決めます。
そしてそれはどれが正解ということはなく、温度を選択することで、飲みたいお茶の
テイストと身体に欲しい成分を湯呑に淹れることができるのです。
2つ目の質問。
「飲み物別」にみると、カフェインの含有量はどれくらい違うのでしょうか?
<飲み物> <約コップ1杯あたりのカフェイン含有量(mg)>
コーヒー 65~100mg
ココア 50mg
コーラ 35~45mg
緑茶 30mg
烏龍茶 30mg
紅茶 30mg
ほうじ茶 20mg
玄米茶 15mg
※茶に関して、含有量は若い芽に多く、成熟した芽では減少するというデータが在ります。
また、「ほうじ茶」のように茶葉を高熱で焙煎することによって、カフェインは昇華(固体から気体に直接変化すること)し、
より減少すると言われています。
また、「水出し」という淹れ方にすれば、さらに減少させることができます。
そして、「カフェインは1日にどのくらいの量を摂取していいのか?」
一般的には、1回200~300mgで1日の限度は1000mgだそうです。
また、妊婦さんや授乳中のお母さんは1日300mgまでがその目安だそうです。
ほうじ茶で言うと、だいたい1日3~5杯(600ml~1000ml)程度です。
以上のことを踏まえると、「飲み方」や「飲む量」を少し気にするだけで、お茶を飲んでリラックスしたり、
カフェインの効果で頭や気持ちをスッキリさせることもできるかと思います。
男である私には想像でしかありませんが、妊娠期間中というのは、
特に初めて経験する方にとっては、不安だったり、ストレスがたまったりと、とても大変な期間だと思います。
飲み忘れていた古くなってしまったお茶があれば、是非フライパンで炒って「ほうじ茶」を
つくってみてください。
おいしくよみがえることはもちろん、ここにはさらなる効果があるのです。
お茶を炒ると、そのいい香りがその部屋いっぱいに充満します。
それはそれは、とてもいい香りです。
そして、もうひとつには「その空間の空気がまるくなる。」ということです。
すごく抽象的な表現ですが、本当にまるくやわらかな空気になります。
いろいろな場面で「癒し」という言葉が使われる今、この空気はまさに「癒し」です。
是非お試し頂きたいです。
不安な気持ちを「お茶」でリラックスしたり、癒されたりできるようお手伝いをしたいと思っています。
また、より楽しんでもらえるお茶を開発したいと考えています。
これまで、「焙煎黒豆茶」や「焙紅茶(ほうべにちゃ)」などつくってきました。
またここでもご紹介したいと思います。