「超べにふうき」、完成 !!
2016年12月03日 09:28
石松園の高野です。
品種茶べにふうきを石松園流に仕上げた「超べにふうき」が
出来上がりました。
例年は新しい年が明けてから、店頭に並べるのですが、
今年は大幅に早めることにしました。
緊急事態が発生したからです。
毎年ご愛飲いただいている小学生のお客様からご連絡をいただいたからです。
「鼻炎がひどくて、鼻のかみ過ぎで痛くて痛くて困っている」。
「あれがなければ困る」と。
「茶」は、明庵栄西さんによる「喫茶養生記」という書物において、
「養生仙薬なり、延齢の妙術なり。」とそのはじまりとして、
その健康効能を紹介されました。
しかし、現実的にはその効果効能は、人によって千差万別です。
そうした現実を踏まえた上で、「少しでもお役に立てたら」という気持ちで、
「べにふうき」に向き合ってきましたが、
ここまで強いご要望には即応えたいと思いました。
そんな「べにふうき」についてのお話を描きたいと思います。
<べにふうきとは?>
「べにふうき」とは、お茶の品種名です。
お米に「こしひかり」や「あきたこまち」などという品種名があるように、
お茶にも「やぶきた」やこの「べにふうき」のように品種名があるのです。
この「べにふうき」は、明治9年に徳川幕臣の多田元吉氏が
インドから導入したアッサム系の種の子供「べにほまれ」と
中国系品種(枕CD86号)との交雑種で、紅茶用につくられた茶の品種名(農林登録44号)です。
そしてこの「べにふうき」が含有する<メチル化カテキンガレード3-0>は、
スギ花粉症の炎症物質ヒスタミンを抑える効能があり、
季節性アレルギーやアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などの
通年性アレルギーを軽減する作用があることが臨床試験で明らかになりました。
また、このメチル化カテキンガレード3-0は、
茶葉を発酵させてつくる紅茶に仕上げるとその成分が消失してしまいます。
そのために、緑茶や釜炒り茶(茶葉を蒸して発酵を止めるのではなく、炒って発酵を止める。烏龍茶と似ている。)
として加工することが重要です。
上の写真は今年の「釜炒りべにふうき」の荒茶です。
荒茶とは、茶の生葉(摘んだ葉っぱ)を一次加工(荒乾燥)した状態の茶のことで、
形状が不揃いで、茶の樹の茎の部分や茶の粉の部分が残る原料の状態です。
一般的に荒茶は仕上げて、茎の部分や粉の部分を取り除き、きれいに磨き上げていくのですが、
これは何も捨てるところがない「茶」のすべてがそこにある状態です。
またこの茶葉は、夏の日光をしっかり浴びて育った秋摘みの茶葉であるため、
「メチル化カテキン」の含有率が高く、「カフェイン」が少ない秋芽であることが最大のが特徴です。
その証拠に、上記写真のように、この荒茶から取り除いた茎(くき)の部分は太くしっかりと伸びています。
手作業で取り除きますが、手のひらに突き刺さるほどです。
秋摘みで「カテキン」が豊富ということは、花粉症への効果がより期待できます。
また、「カフェイン」が少ないということは、花粉症で困っている子供や妊婦さん、
お年寄りも安心してお飲み頂くことが出来るかと思います。
また「カフェイン」が少なく、たくさん飲むことが出来るため、
茶の利尿作用増進によるデトックス効果(体内にたまった毒素を排出させる効果)もあり、
高尿酸値や高血圧の方にもおすすめです。
この荒茶を原材料として、石松園独自の製法で、
ティーバッグに、おつくりしたのが「超べにふうき」です。
一見ふざけたような名前ですが、思いっきり本気です。
「べにふうき茶葉」と石臼挽きした「抹茶べにふうき」を混ぜ合わせて
最大限の効果を求める気持ちを込めた「超」です。
つくり始めて7年経ちますが、一番最初に作ったときは茶業関係者に
「そんなの聞いたことないよ。」と一笑に付された逸品です。
この「超べにふうき」をいち早く困っている人にお届けし、
「茶」のチカラを信じたいと思うばかりです。