お茶コラム

「大走り」とは?新茶用語の基礎知識(4)

2020年04月25日 15:13

石松園の高野です。
今年の新茶をスタートして3日目です。
この時期の新茶のことを石松園では「大走り(おおはしり)」と呼んでいます。

「大走り」とは?
日本茶業中央会の「緑茶の辞典」によると、
新茶の中でも特別に早く生産されたものをいう。
魚、野菜などで初物(その年で初めて収穫(収獲)された食べ物)を走りというように、一般に旬以前のものをいういい方である。
とあります。

こうした見解のように、石松園でも「早場所の、厳選された茶園から、摘み取ったばかりの小さく柔らかい 赤ちゃんのような芽だけでつくる茶」を「大走り」と呼んでいます。
まだ生産の始まらない茶園もあるために生産量は極僅かで、とても貴重なお茶です。

さあ、早場所スタート。新茶用語の基礎知識(1)「早場所とは?」

この時期にしか味わうことのできない、うま味成分が多く、新芽の香りが立ちのぼる新茶です。

石松園ではこの「大走り」を100g3240円で販売しています。

店頭にある様子を見ると「お使い物にはするけど、家で飲むには高くて飲めない。」なんて声も聞きます。
本当にそれほど高価であるのか?と考えてみます。

ひとり分のお茶を淹れる場合、一般に1回分は3gと言われています。
この3gで3煎(3杯)飲むことができます。
ということは、100gのお茶でひとり約100杯飲むことができます。
水代を除けば、3240円÷100となり、一杯あたり32.4円となります。

最近のペットボトルのお茶のコマーシャルでは、急須で淹れた茶と同じ味わいというようなイメージの表現が多いと感じます。
是非このお茶が一番おいしいと感じることができる時期に、飲み比べてみていただきたいと思うのです。
もちろんペットボトルにはペットボトルの良さがあるのかと思いますが、家で過ごす時間の多いこの時期こそ、家族でゆったりとお茶を味わう時間を持っていただきたいと感じています。
私は、お茶屋として、そのお手伝いを全力でさせていただきたいと思います。

引き続き、そんなおもしろい新茶の世界を、この新茶期という流れの真っただ中にいるからこそ!!という熱をもって、お伝えしたいと思います。

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