お茶コラム

京都大作戦(前篇)

2013年08月09日 09:50

石松園の高野です。

先日、急遽「京都」へ行ってきました。
それは「茶」を理解するための旅、そしてその「茶」に携わる自分を見つめ直す旅となりました。スケジュールの合間を見つけて、たった一日、ドタバタしながらも、それぞれの素晴らしさを実感することが出来ました。

最初に行ったお寺は「大徳寺」です。
恩師から、「茶」を志す気があるならここにある「高桐院」を見ておくことはとても勉強になると教わったからです。高桐院(こうとういん)は、京都府京都市北区紫野にある臨済宗大徳寺派の寺院で大本山大徳寺の塔頭のひとつです。開基(創立者)は細川忠興(三斎)、開山(初代住職)は玉甫紹琮(ぎょくほじょうそう)だそうです。三斎公は利休七哲(千利休の高弟7人を指す)の一人として茶道の奥義を極め、歌道をたしなみ、文武両道秀でた人物だそうです。

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高桐院は、大徳寺山内の西にあります。高桐院の表門をくぐると、これまでの境内とは風景が一変します。敷石道がには「幽玄の気」に満ちています。楓樹と竹林の青葉の美しさに、そしてその緑色の濃さに、自然と心が落ち着いていきました。その日は気温も高く、まさに真夏といったとても暑い日だったのですが、そこに入ったと同時に暑さを忘れてしまうという感覚が在りました。

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本堂に入ると、南の庭は竹林を背景にした楓樹と石灯籠、緑苔で構成された簡素な庭園が見渡せる縁側があります。縁側に腰を下ろすと、いろいろな書物でこの高桐院が表現される「幽玄」「清楚」「簡素」「静寂」などの言葉のいずれをも持ち合わせた庭園であることを強く印象づけられました。

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そしてこの高桐院という建造物には、「客殿」「書院」「茶室」があります。そこには言葉で言い表すことのできない「気」、それは「空気」や「雰囲気」のような、眼には見えないカタチとも言うべきものが在りました。

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そしてこの後、たくさんの「お茶屋さん」を見て回ったのですが、どこの店にもこの「茶」という文化を「独自の解釈で表現する」という姿勢が在りました。これは今回の旅で、最も自分のココロに突き刺さった想いです。

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そしてその「大徳寺」の受付のおじさんと話が弾み、「これは特別だよ。」とポスターを頂きました。こんな出逢いも含め、「自分の新しいスタートを切りたいな。」と実感いたしました。

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私自身、今年の新茶がスタートした頃から、心の中で漠然とした葛藤が在ったのでした。
「お客様に誠意を込めて「茶」を伝えるということは、どういうことなのか?」ということです。少し大げさかもしれませんが、そのことが常に頭から離れませんでした。

今回の京都にその答えは山のようにありました。ただ、それを自分のものにできるかできないかは自分次第です。
後篇にそのことをもっと深く描きたいと思います。

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