石松園のお茶の品質が劣化!?お客様からのクレームでわかった、石松園の現在地
2013年10月25日 14:31
石松園の高野です。
一昨日1本のお電話を頂きました。長年、石松園の「森の改良 てもみ茶」を購入して頂いている顧客様からでした。
「この前注文して、届いたお茶がいつものお茶と味が違う。粉っぽくて、色も悪い。」ということでした。
私は「大変申し訳ございません。」と言い、大変お手数をおかけし申し訳ないのですが、そのお茶をそのまま着払いで送って頂きたい旨をお伝え致しました。すると「今回は少量だからいいわよ。」ということでした。
電話を切った後、すぐに同じ茶を飲んでみました。すると、自分が自信を持って「いつもの味」と言える内容でした。
もしかしたら、違うものをお送りしてしまったのかなど想像は尽きません。
すると、昨日その方から再度お電話を頂きました。
「ごめんね。いつものおいしいお茶だったわよ。たまたまお葬式でもらった最後のお茶が残っていてそっちを淹れてしまったみたい。だから気にしないでね。おいしかったわよ。」ということでした。
私は胸のつかえが取れ、本当に心から「ありがとうございました。」と言いました。
今回私が何よりも嬉しかったことは、石松園のことを想って意見して下さるお客様の存在です。
このことに私はいつも心から感謝いたしております。
私はこの石松園の3代目です。お客様の中には、私が生まれる前から「石松園の茶」を飲んで下さっているお客様もたくさんいらっしゃいます。そうした方々に「いつものお茶」として飲んで頂くことが、私の使命であると感じています。
いつもお茶を買いに来て下さるお客様に、小学6年生の大顧客様がいらっしゃいます。(買いに来られるのは、お母様です。)彼は毎朝学校に行く前に、必ずおじいさんとお茶で乾杯をしてから行くそうです。それを幼稚園の時からずっと毎日欠かすことなく続けて下さっています。ですから、彼は私のつくる「極上 森の改良手もみ茶」の香りと味を知り尽くしています。そうしたお客様は毎日飲んでいるからこそ、少しの変化にも敏感です。
お茶は農作物であり、植物です。年によってまったく同じものが出来るとは限りません。
また、人間の味覚の感じ方は一定ではないそうです。これはあるお寿司屋さんから聞いた話ですが「人間の舌は季節によって感じ方が違うので、いつもの味を感じて頂ける様にシャリの酢の分量は微妙に調整している。」ということでした。
そんな中、私もお茶に火を入れる(乾燥させる)工程での火加減や、どの荒茶とどの荒茶を使用してそのお茶(製品)をつくるかということには全神経を集中させています。毎日が修行であると感じています。
ちょうどここからは、年末のお歳暮シーズンに向けた「仕上げ茶」の製造時期です。5月に仕入れた「荒茶」は真空状態で茶工場の冷蔵庫で保管されております。そのひとつひとつを開封し、再度「香りと味」を確認しながらそれぞれの茶をつくっていきます。そのひとつひとつが「いつものおいしいお茶」と言って頂けるように全力を尽くしたいと思います。