「碾茶」←これ、読めますか?
2014年10月20日 10:22
石松園の高野です。
ご存知ですか? 抹茶の原料は何という名前で呼ぶかということ。
「碾茶(てんちゃ)」と言います。
最近少しずつ聞かれることが増えてきました。
今年の夏、都内で駄菓子屋さんをやられていらっしゃるおばあちゃんから一本の電話をいただきました。
夏場は子供たちが喜ぶのでかき氷を出すのだけれども、その氷にかける抹茶のシロップに使うお茶を探しているという内容でした。
今までは近所のお茶屋さんで「粉茶」を買ってきて、自分の家に昔からある石臼で挽いてつくっていたのだけれど、
そのお茶屋さんも最近その粉茶を扱わなくなってしまい困っているということでした。
また別のお客さまからも、家に石臼があるので自分で抹茶をつくってみたいので、その原料をわけてほしいということでした。
またそれ以外には、石臼を探しているというお問い合わせもいただきました。
本当に「茶」のたのしみ方は無限であると感じます。抹茶ひとつとっても、その人の関わり方で様々な楽しみ方があるのです。
石臼で挽いて楽しむ人、点てて楽しむ人、お菓子をつくって楽しむ人などそれぞれの楽しさがあり、またそれぞれが奥深く、
そこにまた面白さがあります。
さて「碾茶」とは何か?
すごくカンタンに言うと「茶の樹を日光からさえぎって(おおいをして)育てたた茶葉を、熱風でパリパリに乾燥させたもの」です。
これを石臼で挽くと「抹茶」のできあがりです。この石臼で挽くという工程はとても時間のかかるものです。
石臼の大きさにもよりますが、電動式の石臼を24時間回し続けても、できる抹茶の量はカレーを食べる
大きめのお皿に山盛り一杯くらいです。
だからこそ、綺麗な緑色であることができ、なめらかな均一の細かい粒子である「抹茶」になりえるのです。
石松園ではこのたび「オンラインショップ」をスタートしたことも含めて、より「茶」をたのしむ機会に触れて
いただきたいと考えております。ということで、「碾茶」の販売を企画中です。
先に述べた駄菓子屋のおばあちゃんには、「石臼で挽きやすいように、石臼がつまらないように」と、
碾茶から茎(くき)の部分などをはずしてお送りさせていただきました。
もっともっと楽しさをお伝えしたいと思います。